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(4) スライドの見栄え/ゼミ紹介スライド作成

[1] 本日の作業

前回は3つの状況を想定したゼミ発表における、発表の構成について検討した。

  1. ゼミ訪問に来た学生に紹介する
  2. 基礎プログラミングの授業でゼミ紹介を行う
  3. 高校1年生にゼミを紹介する

今日はどのような構成を考えたのかを発表するところから始めよう。聴衆をどのような人ととらえ、その人に何を理解してもらいたいと考え、その目的を実現するためにどのような構成にしただろうか。

また、発表の構成を考えた上でどのようなスライドのデザイン、内容にしただろうか。これについては完成していない人もいると思うが、できた人は発表してみよう。

発表の後で、Steve Jobsのプレゼンの構成との共通点を考えてみよう。

ちなみにゼミ発表の担当は以下の通り。

11月6日(火) 2限 時田、高橋(いずれも広瀬ゼミ)
          3限 太田(一ノ瀬ゼミ)、遠田(神田ゼミ)
11月12日(月) 2限 高橋(広瀬ゼミ)、武田(神田ゼミ)
11月16日(金) 2限 遠藤(尾身ゼミ)、松田(古山ゼミ)、齋藤(呉尚ゼミ)

[2] スライドデザイン

発表に使用するスライドを作成しよう。今日は以下の留意事項を参考に、1〜2枚のスライドを作成し、作成したものを各自で比較しながらデザインについて考えてみよう。その上で、作成するスライドのデザインを確定し、次週の完成を目指そう。

今回のキーワードはプレゼンテーションzenの第6章を参考にしている。関心のある人は読んでみること。

SN比(シグナル/ノイズ比)

シグナルは伝えたい情報、ノイズは無意味な情報。SN比が低い(=伝えたい情報に対して無意味な情報が多い)とスライドが見づらくなり、読み取りに時間がかかったり、聴衆に必要以上の負荷をかけたり、情報が伝わらなくなったりする。

背景に図や模様があるテンプレートは、それらがノイズとなるため、聴衆にとって煩わしいと感じられないか注意する。

図表を使って情報を提供する際も、伝えたい情報以外の項目をノイズと考え、シグナルの伝わりやすさを考える(折れ線グラフの線の数や、表の行数など)。3次元グラフも読み取りが困難になるので使用しない方がよい。

画像優位性効果

言葉で伝えるよりも画像の方が記憶に残りやすいということ。重要なメッセージを箇条書きの1項目にすると、他の項目の中に埋没してしまい、印象に残りにくい。短い言葉と関連する画像を組みわせて呈示する理解を促進することができる。

ただし卒論発表のような場合は、「世界でいちばん薄いノートパソコン」ということだけを強く印象付けるというような新製品の紹介とは異なり、内容を理解してもらうという目的があるため、画像と短い言葉だけでは目的にそぐわない可能性が高い。

ゼミ紹介や、他分野の人に自分の研究の背景や意義を理解してもらうような場合は細かい内容に踏み込んで説明しても結局理解してもらえないので、画像を多用して印象に残るような発表をすることが望ましい。

同業者や同じゼミの仲間に自分の研究を発表する場合は、詳細な内容まで理解でき、また研究背景や意義よりも詳細な部分の方が重要となるため、画像を多用して印象に残るような発表をしても、聴衆が求める情報は提供できないため、聴衆は満足できない可能性がある。

しかし、こうした専門性が高い研究発表でも、箇条書きだけでは理解し易いとは言えないので、研究の背景や目的、研究の意義、研究の結果などは画像や図表を用いた方が良い。

余白

余白は無駄なスペースではない。1枚のスライドにぎっしりと情報を詰め込む と聴衆はどこに注目すれ良いかわからず、結果として話を聞かずに箇条書きの項 目を読んでしまうことになる。余白を効果的に使用すると聴衆の視点を誘導することができる。

コントラスト、反復、整列、近接

  • コントラスト:コントラストを使って特定の要素を際立たせ、聴衆にどこに目を向ければよいかを分かりやすくする。コントラストは色の選択のみでなく、空間の操作(近い/遠い)、テキストの選択(セリフ/サンセリフ、太字/細字)、デザイン要素の配置(上部/下部、単独/集団)などでも作りだすことができる
  • 反復:スライド全体を通じて同じ要素、または似た要素を使うことで一貫性や統一感を持たせる。ただし標準的なテンプレートは使い古されており、退屈なものが多いので、ある程度の工夫が必要
  • 整列:スライド内に文字や図を無造作に置くのではなく整って見えるように整列させること。中央ぞろえをするとか、右揃えをするというように、統一感を持たせること
  • 近接:関連のある項目は近づけることでグループ化して知覚される。要素間の距離に意味を持たせる

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