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(3) 目的別プレゼンテーション2
[1] Jobsのプレゼンテーションは研究発表にも活用できるか
前回の授業では、Steve Jobsのプレゼンテーションを見た上で、特徴を整理した。学内では研究発表が主に行われるが、Jobsのプレゼンテーションをそのまま適用することができるだろうか。おそらく聴衆や発表の目的によって、そのまま適用することができない項目と、聴衆や目的に関わらず有効な項目があるのではないかという予想ができるし、実際にもそうだと言える。
今日は、発表のテーマを「携帯電話」や「ナビゲーション」のように何か一つに定め、聴衆とプレゼンの目的を複数に設定した場合に、発表の構成やスライドの内容がどのように変化しうるのかを整理する。この作業を通して、聞き手や目的によって変化する要素と変化しない要素を整理する。
[2] 共通テーマ
テーマは一つとし、聴衆とプレゼンの目的を複数設定する。例えば以下のようなテーマが考えられるが、他の希望があればそれでも構わない。
- 自転車用ナビゲーション(世の中に自転車用カーナビを始めて紹介する状況を想定)
- 聴衆が自転車利用者で、カーナビを使ったことがある人の場合(メーカー担当者がプレゼンを行う。目的は買ってもらいたい)
- 聴衆がナビゲーション利用が脇見を増大して危険なのではないかと考える心理学者の場合(心理学者がプレゼンを行う。目的は調べてみる価値がある)
- 聴衆が自転車を疎ましいと思っているドライバー中心の場合(メーカー担当者がプレゼンを行う。目的は販売に理解を示してもらいたい)
- スマートフォン(スマートフォン利用者がある程度増えてきた現在を想定)
- 聴衆は若者のガラケー利用者(キャリアの担当者がプレゼン。スマホに切り替えてもらうのが目的)
- 聴衆はらくらくフォンを使っている高齢者(キャリアの担当者がプレゼン。スマホに切り替えてもらうのが目的)
- 聴衆はキャリア(ガラケーユーザの代表者がガラケーの存続を訴えるのが目的)
- ゼミ紹介
- 聴衆はゼミ訪問に来た2年生(皆さんがプレゼン。自分のゼミに関心を持ってもらう)
- 聴衆は基礎プログラミング履修の2年生(皆さんがプレゼン。自分のゼミに関心を持ってもらう)
- 聴衆は高校1年生(皆さんがプレゼン。自分のゼミに関心を持ってもらう)
[3] 作業の進め方
今日はスライドを作成しない。構想を考えるのみ。その際のキーワードはアナログ志向。
つまり、いきなりプレゼンテーションソフトで作り始めないで、構想を紙に書いてみる。
理由は3つ。
- 作成するスライドがプレゼンテーションソフトの基本のレイアウトや図形に依存し、ありきたりなスライドしか作れない。
- 思いつきで作ったスライドで完成したと思ってしまい、抜け落ちに気づきにくい(目に目ないものは考慮対象に登りにくい)
- 全体像を考える際は手書きで紙に書いた方が早く、分かりやすいものが作りやすい
白紙の用紙には発表の構成を図示する。裏表を使ってよいが1枚にまとめること。スライド枠と説明が印刷されている用紙には、各スライドの内容を枠内に、右側の線の部分には話す内容を簡単に書く。白紙の用紙ではいきなり発表の構成を考えて書くことはできないので、まず話す内容を箇条書きで書いてみたり、箇条書きを→をつけて話す順番を書いてみたりすると良い。具体的には以下の順で作業をしてみよう。
- ブレーンストーミング(思いつくことをとにかく書きだす)
- グループ化を行う
- ストーリーを作る(グループに矢印をつけて順番を決める)
- スライドのイメージを手書きで書いてみる
発表時間は15分と仮定する。終了した時点で前に出て発表する。
次週は今回の発表を受けて、幾つかのスライドを作成し、そのデザインを考えてみる。