roy > naoya > 情報処理特講II > (6)研究計画の作成/スライデュメントの防止
(6) 研究計画の作成/スライデュメントの防止
[1] 研究計画の作成
今回も研究計画の作成を継続する。本日はワードプロセッサで作成する。完成したら教員チェックを受け、問題がなければスライド作成に移る。
課題
ワードプロセッサを使用して研究計画をまとめてみよう。研究背景には先行研究や公的機関の統計データなど、参考資料を引用してみよう。
広瀬ゼミ、神田ゼミは明日の卒論中間発表会に向けて準備を進めているが、そのために作成したレジュメやスライドをそのまま使うのではなく、研究の背景や目的、意義を伝えることを重視して書き直してみる。
[2] 研究計画の構成
自分の研究を理解してもらうためには、研究の意義をしっかりと伝える必要 がある。同業者相手でも意義を伝えるのは重要であるし、研究分野が異なる相手 に伝えて理解してもらえるのは意義意外にない。それ以上詳細な内容はその研究 分野に関する知識が必須となるためである。研究の意義について話すにあたって は次の流れを踏むと良い。
研究背景
なぜ、その研究を行う必要があるのか。現在社会で何が問題になっているの か。研究に関連するテーマに関する現状や、これまでに同様のテーマでどのよう な研究が行われてきたのかを述べる。
例えば、自転車に乗っている際の携帯電話利用について研究しないならば次の様な流れで話ができれば、必要性が理解されやすい。個人的な経験は述べる必要はない。決して述べてはならないということではないが、述べたとしてもそれは研究背景とはなりえない。
- 近年、自転車運転中の携帯電話使用が禁止された
- 自動車運転中の携帯電話利用についてはかねてより禁止されており、利用によってふらつきの増大や反応時間の遅延がみられることが多くの研究により明らかにされている
- 自転車運転中の携帯電話利用については、その影響を調べた研究はなく、自転車運転者に利用を禁止する理由に乏しい
研究目的
研究期間中に何を明らかにしたいのかを述べる。研究が中長期にわたる場合は全体的なストーリーを示した後で、今回はどこまでをやるのかを示すと良い。研究計画を聞く際は、研究目的と研究方法の関連性を見ることになる。その方法で目的を実現することが可能かどうかという視点で見るにあたり、目的が漠然としていると検討が不可能となる。目的はできる限り具体的に書いてみよう。
社会的意義・独創的な点や新規性
この研究を行うことにどのような意味があるのか。自己満足な研究であれば、個人的に行えばよく、大学での研究という形で行う意味はない。平和に貢献するだとか、安全安心な社会の実現に寄与するだとか、教育に使える資料になるだとか、研究が果たすであろう役割を述べる。
何も書けないなら、意味がない研究ということになる。
独創的な点や新規性というのは、研究の売りを指す。これまでに行われている研究と全く同じ研究を行う意味はない。テーマが独創的なのか、対象に新規性があるのか、研究の進め方が独創的なのか、少なくとも1つは既存の研究と比べて異なる点が必要。
研究方法
研究期間中に、設定した目的を実現する為に具体的にどのような手続きで研究を行うのかをできる限り詳しく述べる。既に実施済みの研究であれば過去形で書く。
[3] スライドュメントの防止
スライド+配付資料(ドキュメント)=スライデュメントと呼ぶ。
スライドを作成し、スライドを1ページ当たり6枚〜8枚で印刷して配付することがある。この場合は、後でスライドを読んだ場合でも意味がわかるように配慮する必要があり、説明をスライド内に盛り込む傾向がある。
しかし、文章や箇条書きが多いスライドは即座に意味を理解することが困難であるため、発表者の話とスライドの内容の双方に注意を払う必要が生じる。結果としてスライドを見ていて話をしっかり聞かないか、話に注意を向けてスライドをしっかり見ないことになる。
これらはどちらの場合であっても分かりやすい発表であるとは言えない。スライドは発表者の話の補助となるよう、分かりやすいことが求められる。
配付資料はスライドの印刷ではなく、別途作成するべきである。これにより必要以上に詳細な情報をスライドに盛り込む必要がなくなる。
スライデュメントを防止する為の留意点
次の流れで、不要な文章を削り、分かりやすいスライドに仕上げていこう。
- スライドに書かれている内容を順番に読みあげるのはNG
- 文章でなく箇条書きで
- 箇条書きはできる限り簡潔に
- 箇条書きはインデントを使って階層構造を明確に
- 箇条書きの項目に時系列的な関係があればフローで示す
- 箇条書きの項目に因果関係や相関関係があれば図式的に示す
- 図や写真だけ(は、研究発表ではやりすぎかもしれない)
スライド修正の練習
次のスライドを修正してみよう。いずれのスライドも文字が多すぎて読みづ らい。分かりやすく修正してみよう。全てのスライドを修正しなくてよい。2枚 程度修正してみる。
内容が分かりづらい(関心がない)場合は、情報リテラシーで以前に自分で 作成したスライドを修正しても良い。