光の三原色 Red, Green, Blue のそれぞれの強さの組み合わせで 色を表現する。計算機処理する場合は各色の最弱(非点灯)を0, 最強を 0xf(4ビット) または 0xff(8ビット) で表現する。 4ビットの場合は3色分12ビットの2進数で 212=4096色, 8ビットなら 224=16777216色が表現できる。
透明度を表す。RGBと透明度を持つ画像をRGBAと呼ぶこともある。 JPEGにはない。透明化したい場合はPNGなどを利用する。 元がJPEG画像の場合はGIMPではレイヤウィンドウでレイヤを右クリック 「アルファチャンネルの追加」を指定し,PNGに保存する。
白と黒の間の灰色を多段階に表現したものをグレースケールという。 2段階はモノクロという。通常256段階(8ビット)あれば 十分スムーズな階調に感じられる。
最大の色数を予め定め,表現したい画像に高頻度で現われる色を その色数以内で選んで表現する画像。パレットのように数の決まった 枠があり,その枠内に任意の色を当てはめ,実際の画像の各点の色は パレットの枠番号(インデックス)を割り振っていく。色数256にしても 画像によっては色の再現性が高く,圧縮率も高くなる。 グラデーションのないロゴ画像などに向いている。
参考文献
静止画像
Jef Poskanzerが考案し,Pbmplusで実装した極めて汎用的な 画像保存形式。PNMは以下の3形式の集合的呼称。
PBM | Bitmap | 白黒二値画像(モノクロ) |
---|---|---|
PGM | Graymap | グレースケール |
PPM | Pixmap | カラー画像 |
Windows Bitmap。Windowsの標準的画像表現形式。 圧縮なしで生成されることが多く, ファイルサイズが大きくなりがちである。 「ビットマップ」というとドットごとに画像を表す 一般的な画像形式と混同するので, BMP(びーえむぴー)と呼ぶのがよい。
Joint Photographic Experts Group の略。RGB各8ビットの カラー画像を非可逆圧縮する(可逆オプションもある)。 デジタルカメラ画像やWeb利用の画像形式として一般的である。
Portable Network Graphics の略で,Web配付などネットワーク での利用を主眼とした画像形式。色表現としてグレースケール(最大16ビット), RGB(各色8〜16ビット),インデックス(8ビット)が利用できる。
インデックス画像。アイコンなどを軽量に作るのに適している。 かつてアメリカ合衆国Unisys社の特許主張問題で使用回避する運動が起こり, PNG普及の切掛となった。現在は特許が失効している。 アニメーションGIF以外では積極的な利用理由に欠ける。
Tagged Image File Format の略で, 画像データ自身に画像の符号化形式をタグとして埋め込み, 複数の表現形式を内包する画像形式。BMPやPNGが一般化する前は 可逆圧縮の一般的な形式として用いられた。
Scalable Vector Graphics の略で,画像を点で表す ビットマップ表現ではなく,画像をベクトル形式で表す。 表記はXMLによる。拡大しても滑らかさが損なわれない。
また,GIMPで編集する場合,レイヤや編集情報を含むGIMP固有の 保存形式 XCF が利用できる。編集の続きをする可能性があるものは XCF 形式で保存する。実際には bz2 圧縮を施した .xcf.bz2 で保存する。 ファイル保存時にファイル名の拡張子を .xcf.bz2 にするだけでよい。
GIMPでは,編集画像をGIMP固有形式に書き出すことを「保存」, JPEGやPNGのような汎用画像形式に書き出すことを「エクスポート」と 呼んでそれぞれ区別する。
画像を編集する領域のこと。画像にするときは最終的に この領域の広さのものが保存される。
キャンバス上に重ねて置くことのできる1枚の画像書き込みシート。 アルファチャンネルを付加して段階的透明にすることもできる。
各種操作ツールのパラメータを入力するための対話セット画面のこと。
画像編集ではないウィンドウで,ダイアログを好きな組み合わせで 詰め込むことができる。ダイアログを別ウィンドウのドッグにドラッグ すると「ドッキング」できる。
ベジエ曲線によって作成された画像上の軌跡のこと。 その軌跡に沿って描画したり,軌跡で囲まれた部分と選択範囲を 相互変換したりできる。パスはレイヤと同じように1つの画像上に 複数セット持つことができ,xcf形式で保存すれば将来の編集時に 持ち越せる。
C-l でレイヤダイアログを出す。
頻出操作はキー操作を覚える。
アンドゥ | C-z |
リドゥ | C-y |
カット | C-x |
コピー | C-c |
ペースト | C-v |
新規にペースト | S-C-v |
操作対象は選択範囲となる。
矩形(長方形)で領域選択する。Shiftを押しながらドラッグで選択範囲追加。 Ctrlを押しながらドラッグで選択範囲減算。 Ctrl-Shiftを押しながらドラッグで既存選択範囲との交差部分選択。
ドラッグしてからCtrlで中心拡大, Shiftで正方形(または既存矩形領域と同じ縦横比)
楕円形で領域選択する。 ShiftやCtrlを押しながらの関係,ドラッグ後押しの関係は矩形選択と同じ。
自由直線・曲線で選択。間欠クリックすると隣接クリック2点間が 直線で結ばれ,ドラッグするとそこがフリーハンド曲線と見なされる。 ShiftやCtrlを押しながらの関係は矩形選択と同じ。
近似色選択。ShiftやCtrlを押しながらの関係は矩形選択と同じ。
クリックした場所と同じ色を持つ領域をすべて選択。 ShiftやCtrlを押しながらの関係は矩形選択と同じ。
選択対象物の境界のヒントを与え自動的に境界判断する。 ざっと選んでクイックマスクで調整すると手軽。
切り抜きたい前景を選択する。最初に自由選択で前景の外側を選ぶ。 続いてペンツールに変わるので前景の内部をドラッグでなぞる。 ドラッグ解除すると仮選択の青に変わる。 選択もれ領域があればさらになぞる。 選択しすぎ領域はCtrlを押しながらなぞる。 よければ Return で確定。
この選択操作にアンドゥは使えない。
パスを作成し,それを選択領域に変換する。 分節(パスを決める複数の点)への操作1つ1つが1編集単位であり アンドゥ操作もできる。すべての点を手動設定する必要がある代わりに あとで微調整することができるので, 精度を要する選択にはこれを使う。
選択ツールなどで選択した範囲に対する操作。 ショートカットキーの主なものは以下のとおり。
すべて選択 | C-a |
すべての選択を解除 | S-C-a |
選択範囲の反転 | C-i |
クイックマスク | S-q |
その他の主な操作は以下のとおり。
なお,複雑な選択領域を作成したときには選択(S)メニューの 「チャンネルに保存(C)」で選択情報を保存でき,ファイル保存で xcfに保存すれば,次回編集時にも利用できる。「チャンネルダイアログ」 を表示し,保存しておいた「選択」を右クリックし「チャンネルを選択範囲に (C)」を選ぶ。
S-qでクイックマスク。選択範囲が透明,それ以外が赤で覆われて見える。 この状態でブラシツールなどを用いて表面を塗る動作をすると以下のようになる。
また S-q で解除するとあたかも赤布でマスキングされた部分が (その度合だけ)非選択状態になった状態の選択領域が現われる。 ここでフィルタ操作などをすると選択領域のみに適用される。 薄くマスキングされたところはその度合だけ適用を逃れる。
主要選択ツールである程度大まかに選択したあと, 微調整をクイックマスクで行なうと楽なことが多い。
画像の編集画面を見やすくするためなどの操作。 素早く操作するために覚えるべきショートカットキーを示す。
さらに縮小表示 | -,Ctrl+スクロール押回転 |
さらに拡大表示 | +,Ctrl+スクロール引回転 |
直前の拡大率で表示 | ` |
100%表示 | 1 |
200%表示 | 2 |
400%表示 | 3 |
800%表示 | 4 |
1600%表示 | 5 |
ウィンドウサイズを合わせる | C-j |
フルスクリーン表示 | F11 |
その他,「表示(V)→新しいビュー(N)」を選ぶと,1つの画像を 複数のウィンドウで,独立した倍率で表示できる。全体図と拡大図を 同時に見たい場合に有用。
描画色と背景色のリセット | d |
描画色と背景色の交換 | x |
ツールボックスの出し入れ | Tab |
カラーバランス | 色のバランスを変更する。 | ||||||||||||||||||
色相-彩度 | 色相・輝度・彩度を調整する。
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着色 | 単色に着色(セピア風等)
色相=260,彩度=15,輝度=20 | ||||||||||||||||||
明るさ・コントラスト | 明るさとコントラストを調整する。
「明るさ」は入力に対する出力範囲を上下にずらす。 「コントラスト」は入力の幅に対して一定倍率を掛けた出力とする。 いずれも少しだけ明るさを変えたいときに手軽だが,バランス確保は難しい。 よりスムーズに仕上げるには「レベル」または「カーブ」で ヒストグラムを見つつ調整する。 | ||||||||||||||||||
しきい値 | 任意のしきい値でモノクロ画像に変換する。 スキャナ取り込み文字を2値画像にするなど。 | ||||||||||||||||||
レベル | 入力レベルと出力レベルを調整する。 逆光写真の暗部を持ち上げたいときなどは これか下記のトーンカーブを用いてある程度修正できる。 | ||||||||||||||||||
トーンカーブ | 入力レベルと出力レベルをカーブで調整する。 上の例の写真を トーンカーブで調整すると以下のようになる。 | ||||||||||||||||||
ポスタリゼーション | 色数を減らしてポスター化
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脱色 | 色を抜く。
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階調の反転 | ネガポジ反転する。
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明度の反転 | 明度を反転する。
![]() | ||||||||||||||||||
自動補正: | |||||||||||||||||||
色要素: | |||||||||||||||||||
カラーマッピング: |
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色の情報 | ヒストグラムなどの色情報を提示する。 | ||||||||||||||||||
RGB最大値 | 色を純粋な赤・緑・青に
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フィルターパック | 色相・彩度・明度を対話的に変更する(たのフィルタツールの 統合版的位置付け)。 | ||||||||||||||||||
ホット | テレビ画面に写すときに問題となりそうな画素を修正する。 | ||||||||||||||||||
レティネックス | 暗めで判別しにくい画像を判別しやすくするアルゴリズムを適用する。 | ||||||||||||||||||
色を透明度に | 指定した色を透明にする。 | ||||||||||||||||||
単色塗り | 特定の色の階調塗りに変える。「着色」のお手軽版。 |
元画像(画像クリックで原寸)
ぼかし(B) |
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ガウシアンぼかし(G) |
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タイル可能ぼかし(T) |
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モーションぼかし(M) | 直線:
![]() ![]() ![]() |
モザイク処理(P; Pixelize) |
![]() |
選択的ガウスぼかし(S) |
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このうちアンシャープマスクの例を示す。
→
元画像(画像クリックで原寸)
ずらし(Shift) |
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エンボス(Emboss) | バンプマップ:
![]() ![]() |
カーブに沿って曲げる(Curve bend) |
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ビデオ(Video) |
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ブラインド(Blinds) |
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ページめくり(Pagecurl) (めくり部分を透明化するためこれのみPNG) |
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モザイク画(Mosaic) |
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レンズ効果(apply Lens) |
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レンズ補正(Lens Distortion) | レンズごとの歪曲を補正する ![]() ![]() |
一行おきに消す(Erase every other row) |
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渦巻きと吸い込み(wHirl and pinch) |
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極座標(Polar coordinates) |
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新聞印刷(news prinT) |
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対話的歪め(IWarp) (GIMP2.10からはメインのツール→変形→ワープ変形にある |
歪む過程をアニメーションにもできる |
波(Waves) |
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波紋(Ripple) |
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風(Wind) |
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明度伝搬(Value propagate) |
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グラデーションフレア(Gradient flare) |
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ライト効果(Lighting) |
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レンズフレア(Lends flare) |
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超新星(superNova) |
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Xach効果(Xach-effect) |
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ドロップシャドウ(Drop shadow) (PNG) |
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HSV |
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RGB |
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ごまかす(Slur) |
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つまむ(Pick) |
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拡散(spRead) |
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浴びせ(Hurl) |
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ガウス差分(Difference of Gaussians) |
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ソーベル(Sobel) |
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ネオン光彩(Neon) |
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ラプラス(Laplace) |
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輪郭(Edge) |
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コーヒーの染み(Coffee stain) |
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スライド(Slide) |
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ファジー縁取り(Fuzzy border) |
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ベベルの追加(bEvel) |
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角丸め(Round corners) |
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古い写真(Old photo) |
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枠の追加(Border) |
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ずらしマップ(Displace) |
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オブジェクトにマップ(map Object) |
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シームレス化(Seamless) |
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フラクタルトレース(Fractal trace) |
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ワープ(Warp) |
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幻(Illusion) |
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紙タイル(Paper tile) |
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小さくして並べる(Small tiles) |
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並べる(Tiles) (元画像より大きく整数倍にする) |
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主に何もないところにパターン画像を作成する。 雲やプラズマのようなパターンを生成する。
参考: 下塗りフィルター
ソリッドノイズの上か下に好きな色で塗りつぶしたレイヤを重ねて 不透明度をいじってみる。
また,メニューの「ファイル(F) → 画像の生成(T) → パターン(P)」から 選べる様々なパターンも面白い背景パターンとして使える。
クリッカブルマップを作れる「イメージマップ」エディタが起動できる。
左の矩形選択,円選択,多角形選択をつかって領域を決める。多角形選択 は最後の点でダブルクリックする。領域設定ウィンドウが出るので, リンク先URL(ファイル名)を入力してOKを押す。
必要な個数の領域と,ジャンプ先URLを指定する。
イメージマップエディタのメニューから「表示」→「ソース」 を選び必要なHTMLソースを表示する。
現われたソースを別の HTML 文書内にコピーする。 マップファイルの内容は概ね以下のとおりである。
<img src="名称未設定" width="259" height="250" border="0" usemap="#map" /> <map name="map"> <!-- #$-:Image map file created by GIMP Image Map plug-in --> <!-- #$-:GIMP Image Map plug-in by Maurits Rijk --> <!-- #$-:Please do not edit lines starting with "#$" --> <!-- #$VERSION:2.3 --> <!-- #$AUTHOR:HIROSE Yuuji --> <area shape="poly" coords="118,42,116,67,165,97,191,85,214,77,245,93,247,121,234,130,190,123,153,118,138,120,101,120,98,111,92,101,88,109,77,114,61,105,47,78,66,73,81,62,70,50,63,19,98,29" alt="ほげだっせ" href="hoge.html" /> <area shape="poly" coords="196,174,176,169,153,164,150,178,149,193,148,213,161,212,164,198,178,192,204,189" alt="ふー" href="foo.html" /> </map>
このうち,img src 指定はマップを作成した画像ファイルの名前に置き換える。 また,usemapとそれに対応するmapのname指定は他と区別できる 同じ単語にする(そのHTMLページ内でクリッカブルマップが 1個しかないならデフォルトの "map" のままでよい。
それで作成した例を示す。次の画像にマウスを合わせ,マウスポインタの 形状の変わるところをクリックしてみよ。
画像クリックで動画へ。
ブレンド(Blend) |
![]() |
回転する球体(Spinning globe) |
![]() |
波(Wave) |
![]() |
波紋(Rippling) |
![]() |
デジタル撮影した写真やスキャンした画像などはピクセルサイズが大きい。 その画像の最終出力先を考慮して適切なサイズにリサイズする。
アスペクト比固定
斜めになっている写真は,[回転]ツールで調整する。その後, レイヤが斜めになるのでトリミングをして矩形画像に修正する。
暗部をもちあげ,明部はスムーズなままに。
写真を印刷する場合,出力用紙の縦横比と合わせるのが望ましい。 一般的な印画紙サイズとして,L版(89x127),はがき(100x148), 2L版(127x178),6切り(203x254),ワイド6切り(203x305)の寸法を 意識した縦横比でトリミングするとよい。
※参考: 写真サイズ一覧
カメラのオートホワイトバランスは新しい機種ほど優秀で, 自然な色合に写る割合が多い。しかし光源によっては色が大きく偏る。 またプリセットホワイトバランスを間違えて設定しているとかなり 不自然な色に写る。
たとえば,以下の写真はホワイトバランス「曇天」のまま, 白色蛍光灯下で撮ったものである。
後で気付いても,RAW形式を残していない場合はカメラでは修正できない。 GIMPでは,自動判別によるものと,白・黒・グレーを指定した マニュアルホワイトバランス調整ができる。
メニュー「色(C)→自動調整(A)→ホワイトバランス(W)」で即座に 調整される。
白目がしっかり白になっているが,少しどぎつい色になっている。
メニュー「色(C)→レベル(L)」のダイアログを出し, 自動調整(A)ボタンの右にある「黒点を設定」,「グレー点を設定」, 「白点を設定」のうち,グレー点を設定を選び,画像の白目の部分を クリックすると以下のように調整される。
実際の写真には,完全な黒,完全な白はほとんどないので, 色彩のない部分を選んで「グレー点を設定」にすると自然な明るさで ホワイトバランスが取れる。
yuuji