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(8) 表計算ソフト[3] 分析の準備

[8]分析の準備

前回、無効データを除外したが、分析を行うためにはもう少し準備が必要である。本日行う作業は以下の通り。

  1. 3の逆転項目への対応
  2. 2のソフトウェアごとの習熟状況(合計得点)
  3. 3の因子別の合計得点
  4. 4の理解度のセキュリティリスクごとの得点(合計得点)

詳細は、作業を行いながら説明する。

前回の宿題が終わっていない場合は、作業済みのファイルを以下からダウンロードして使用する。

本日の作業ファイル

逆転項目への対応が済んだファイルは以下からダウンロードできる。

本日の作業ファイル(2)

[9]逆転項目への対応

まず、逆転項目への対応を行う。質問紙の3はコンピュータ不安について4段階で評価をするものであった。

  • コンピュータは人間の弱点を補ってくれる便利な機械だ
  • 私はコンピュータの前に座っただけでとても緊張してしまうだろう

という各質問に対し、いずれも右端の「全くそう思わない」に○をつけたとする。この場合、右端なのでいずれも「4」と入力しているが、両者が持つ意味は異なっている。このままの状態で平均を求めても、得られた数値は何を意味するかわからない。

得られた結果が意味を成すためには、回答の方向をそろえる必要がある。今回はコンピュータ不安に関する質問であるため、「値が大きいほど不安を感じている」という結果になっていた方が、直感的に読み取りやすい。そこで、これとは反対の関係になっている項目を逆転項目とみなす。

逆転項目は、左から1、2、3、4と番号を振るのではなく、右から1、2、3、4(=左から4、3、2、1)と番号を振る。一つずつ手直ししていくのは大変なので、一括で変換してしまおう。

1を4に、2を3に、3を2に、4を1にするためには、それぞれ5から引けばよい。

  • 1を4にする:5-1=4
  • 2を3にする:5-2=3
  • 3を2にする:5-3=2
  • 4を1にする:5-4=1

これを踏まえて次の作業を行おう。

本日の作業(1)

CU列に21列追加し、新規に3-1から3-21という見出しをつける。その上で、逆転項目は5から元の値を引いた値を計算し、通常項目はそのままの値を複写する。

「BZ2」というセルに1と入力されている場合を例にすると、それぞれ次のように入力する。

  • 逆転項目の場合:=5-BZ2
  • 通常項目の場合:=BZ2

21問の質問項目につき、それぞれ1人目のデータだけ、上記のルールに則った値の変換を行い、残りの人についてはオートフィルで複写する。

なお、逆転項目は、2、4、5、6、8、11、12、13、14、16、17、18、19、21の14項目である。

[10]習熟率の合計得点の算出

2番は、コンピュータの機能や各種ソフトウェアについてどれくらい習熟しているかをたずねる質問項目であった。全部で44項目あるが、6つのカテゴリに分類されている。そこで、カテゴリごとに合計点を算出してみよう。

本日の作業(2)

  1. BZ列に6列挿入する。見出しを順番に「基礎知識」「共通操作」「インターネット」「メール」「ワープロソフト」「表計算ソフト」とする
  2. これら6つのカテゴリについて、それぞれ合計得点を求める。sum関数を使用する。1人目だけ式を入れたら、残りの人はオートフィルで複写する
  3. 各質問項目とカテゴリとの対応状況は以下の通り
    • 基礎知識:2-1から2-8
    • 共通操作:2-9から2-13
    • インターネット:2-14から2-18
    • メール:2-19から2-23
    • ワープロソフト:2-24から2-35
    • 表計算ソフト:2-36から2-44

[11]コンピュータ不安の合成得点の算出

3番は、コンピュータの不安に関する質問であり、21の質問項目から構成されていた。これらの項目の質問文を読むと似通ったものもあれば異なるものもあることがわかる。

コンピュータに対する不安は「機械への苦手意識」や「新しいものを避ける傾向」など、様々な意識が合計された結果として表現できると考えられる。しかし、コンピュータ不安を構成する意識としてどのような項目が存在するのかを列挙することは難しい。また、仮に「機械への苦手意識」や「新しいものを避ける傾向」がコンピュータ不安の構成要素であるとしても、「機械への苦手意識はどれくらいですか?」といった漠然とした質問には回答しづらく、それに対する適切な回答が得られるとは考えにくい。

よって、より具体的な質問を多数設定し、それらに対する回答パターンを分析することで、回答の背後にある意識構造(例:コンピュータ不安は機械への苦手意識と新しいものに対する忌避感で説明できる)を探るという手法が用いられることが多い。この手法を因子分析と呼ぶ。

因子分析という手法そのものは統計学の授業で学ぶべき内容であり、エクセルで分析をするのはほとんど不可能なのでここでは説明しない。今回はすでに因子分析を実施しており、コンピュータ不安が3つの下位意識(因子)で表現できることが明らかになっているものとして話を進める。なお、以下の()内の質問番号は、各因子と特に結びつきが強い項目を示している。

  • 第1因子:オペレーション不安(質問2、6、16
  • 第2因子:テクノロジー不安(質問11、14、18
  • 第3因子:肯定的評価(質問1、3、7

これを見ると、いずれの因子にも所属しない項目があることがわかる。これらの項目はどの因子との関連もそれほど高くないということになる。

本日の作業(3)

  1. 3は先ほど得点の変換を行ったが、その後ろの3列に「オペレーション不安」「テクノロジー不安」「肯定的評価」を見出しとして記入する
  2. ここで各因子に属する質問項目の合計を求める。今回は計算に使用する値が連続していないが、このような場合でもsum関数を使うことができる

[12]セキュリティに関する理解度の得点化

4番は、セキュリティに関する質問項目である。このうち(1)は用語を知っているかどうかをたずねる認知度の項目であるが、(2)は内容を知っているかどうかたずねる理解度に関する項目であった。

(2)は○を「1」、×を「2」と入力しているが、このままでは正解か不正解かわからない。そこで、正解の場合は「1」、不正解の場合は「2」となるよう、数値を変換してみよう。この際に使用するのが論理関数のifと絶対参照である。

本日の作業(4)

  1. 4番の(2)の後ろに30列挿入する。その上で見出しに「4-2-1」から「4-2-30」まで連番を振る。
  2. 下の表を参考に、300行目あたりの邪魔にならない箇所に解答を入力する。
  3. 各自の入力データと解答を比較し、一致する場合は「1」、一致しない場合は「0」に変換する
  4. さらに10列追加し、見出しに「ウィルス」「セキュリティホール」「スパム」「フィッシング」「スパイウェア」「ボット」「ファーミング」「ワンクリック」「DoS」「ソーシャル」と入力する。
  5. 各項目について3問の合計得点を求める。
問1問2問3問4問5問6問7問8問9問10
2112111211
問11問12問13問14問15問16問17問18問19問20
2211212111
問21問22問23問24問25問26問27問28問29問30
2121212121