問題12-21 IP210141 □□□□ ファンクションポイント法に関する記述はどれか。 ア ソフトウェアのもつ機能の数を基に、その規模を見積もる手法 イ プログラムの行数やファイルサイズなどを基に、ソフトウェアの規模を見積 もる手法 ウ 見積担当者の経験から楽観値や悲観値を割り出してソフトウェアの規模を見 積もる手法 エ 予想されるプログラム行数にエンジニアの能力や要求の信頼性などの補正係 数を掛け合わせて開発工数や期間、要員や生産性を見積もる手法 解答:ア 解説 ファンクションポイント法(Function Point Analysis)は、帳票数、画 面数、ファイル数など、ソフトウェアが持つ機能の数を定量的に算出し、その規 模を見積もる手法です。具体的には、ソフトウェアが持っている機能を次の五つ の項目に分類し、それぞれの複雑度を考慮しながらファンクションポイント (Function Point)と呼ばれるポイント数を計算します。 (1)外部入力(入力画面など) (2)外部出力(出力画面、帳票など) (3)外部参照(照会画面など) (4)内部論理ファイル(システムの内部で使用するファイル) (5)外部インタフェースファイル(外部システムの連係に使用するファイル)  ファンクションポイント法は、現在主流となっているGUI(Graphical User Interface)を用いたソフトウェアの規模を見積もるのに適しています。また、 利用者から見える画面や帳票などを用いてソフトウェアの規模を見積もるので、 利用者にも理解しやすいという利点があります。  なお、ファンクションポイント法では、プログラムの行数やファイルサイズ、 見積担当者の経験などは用いません。  選択肢イの記述にあるように、「プログラムの行数やファイルサイズなど」を 用いてソフトウェアの規模を見積もる手法のことを総称してLOC(Line Of Code) 法と言います。  選択肢ウの記述にあるように、「見積担当者の経験から割り出した楽観値や悲 観値」を用いてソフトウェアの規模を見積もる手法のことを3点見積法と言いま す。  選択肢エの記述にあるように、「プログラムの行数」に加えて、エンジニアの 能力などの「補正係数」を用い、ソフトウェアの規模を見積もる手法をCOCOMO法 と言います。  以上より正解は、選択肢アです。 ---------------------------------------------------------------------- 問題12-22 IP210148 □□□□ あるシステムの設計工程における設計書作成の予定所要工数、及び現在の各設計 書の進捗率は表のとおりである。予定通りの所要工数で完了まで進むものとして、 すべての設計書の完了を100%としたとき、現在の全体の進捗率(%)は幾らか。 ア 40 イ 47 ウ 53 エ 60 解答:ウ 解説 すべての設計書の作成にかかる予定所要工数は、外部設計書、内部設計書、プロ グラム設計書のそれぞれの予定所要工数を合計すればよく、 全設計書作成の予定所要工数=500+700+900=2100[時間] になります。一方、現時点で完了している工数の合計は、設計書ごとの完了工数 を「予定所要工数×現在の進捗率」によって算出し、それらを足し合わせて求め ます。 外部設計書の完了工数=500×100%=500[時間] 内部設計書の完了工数=700×50%=350[時間] プログラム設計書の完了工数=900×30%=270[時間] 現時点での完了工数の合計=500+350+270=1120[時間]  現在の全体の進捗率は、「現時点での完了工数の合計÷全設計書作成の予定所 要工数」で求められるので、 現在の全体の進捗率=1120÷2100=0.53…≒53% になります。 以上より正解は、選択肢ウです。 ------------------------------------------------------------------------ 問題12-23 IP210150 □□□□ 時間を横軸にし、タスクを縦軸にとって所要期間に比例した長さで表した工程管 理図はどれか。 ア E-R図 イ アローダイアグラム ウ ガントチャート エ 状態遷移図 解答:ウ 時間(日付など)を横軸にし、タスク(作業項目など)を縦軸に取って、所要期 間に比例した長さで表した工程管理図のことをガントチャートと言います。作業 予定の日程をあらかじめ横棒(バー)で図示しておき、実際に作業が行われたと きに、作業実績の日程を作業予定の日程の下に逐次記入していきます。アローダ イアグラム(PERT図)とは異なり、作業の相互関係を把握するのは難しいのです が、現在の作業の進捗状況が一目で把握できるので、個人やグループといった比 較的小規模なプロジェクトの進捗管理に適しています。  選択肢アのE-R図(Entity-Relationship Diagram)は、実体(Entity)と、実 体間の関連(Relationship)という二つの概念を用いて、対象世界のデータの構 造を視覚的に表現した図です。データベース設計の上流工程で作成される図であ り、特にリレーショナルデータベースの構造を設計する際によく用いられます。  選択肢イのアローダイアグラム(Allow Diagram)は、プロジェクトに必要な すべての作業の流れや所要時間を整理し、個々の作業の前後関係や相互関係を視 覚的に表現した図です。作業を矢印で表し、作業を示す矢印と矢印を○印で結ん だネットワーク図であり、PERTによる日程管理に用いられます。  選択肢エの状態遷移図(State Transition Diagram)は、システムが複数の状 態をもつとき、システムの状態がどのように遷移するのかを視覚的に表現した図 です。システムの取り得る状態を円で表し、ある状態から次の状態への遷移を矢 印で表します。 よって正解は、選択肢ウです。 --------------------------------------------------------------------------- 問題12-24 IP210230 □□□□ ある作業を6人のグループで開始し、3ヶ月経過した時点で全体の50%が完了して いた。残り2ヶ月で完了させるためには何名の増員が必要か。ここで、途中から 増員するメンバの作業効率は最初から作業している要員の70%とし、最初の6人 のグループの作業効率は残り2ヶ月も変わらないものとする。 ア 1 イ 3 ウ 4 エ 5 解答:エ 解説 6人の要員が3ヶ月作業したのですから、作業に費やしたのは  3×6=18人月 です。 現在作業全体の50%までが完成しているので、残り2ヶ月であと18人月分の作業 をすれば完成することがわかります。 最初から作業していた6人が2ヶ月間作業を行うと12人月分の作業を終了すること ができるので、追加メンバが行う作業量は、  18−12=6人月 ということになります。 追加メンバの作業効率は最初から作業している要員の70%なので、追加メンバの 作業効率で計算した残り作業量は、  6人月÷0.7≒8.57人月 になり、1ヶ月に行うべき作業量は、  8.57人月÷2=4.285人月 と計算できます。 したがって追加メンバは5人必要ということになります。 -------------------------------------------------------------------------------- 問題12-25 IP210234 □□□□ プロジェクトを管理する上で、プロジェクトマネージャが考慮すべき制約条件の 組合せとして、適切なものはどれか。 ア 対象範囲、納期、予算 イ 対象範囲、納期、リスク ウ 対象範囲、予算、リ スク エ 納期、予算、リスク 解答:ア プロジェクトマネージャは、立場上リスクの管理に関しては考慮する必要はあり ません。 リスクに関してはリスク管理部門が考慮します。 ------------------------------------------------------------------------------------------------ 参考文献 情報処理基礎論b 講義用資料  ITパスポート試験過去問題    http://www.it-passport.org/question/index.html