ある事象 A について、どれが起こることも同様に確からしいとする。 起こりうるすべての場合がn 通り、事象 A が起こる場合が a 通りあるとすると、
A の起こる確率 = a / n
である。
起こりうる全ての数は 6 通り。 偶数の目が出る場合は 3 通り。 したがって偶数の目が出る確率は
3/6 = 1/2
起こりうる全ての場合を樹形図にすると、8 通りとわかる。
このうち表 1 枚、裏 2 枚となっているのは 3 通り。
よって求める確率は 3/8
ある事象 x が必ず起きることが分かっているとき、 起こりやすさに応じて 0 から 1 の間の数値をとるものを、 確率 P(x) という。 独立した試行において起こりうる事象の場合の数 n のうち、 事象 A の起こる場合の数を a とすると、事象 A の起こる確率は P(x) = a/n となる。
ある事象 A の確率 P(x) とは、全部の数 N で、あたりの数 a を割ったもの
P(x) = a / N
「または」「あるいは」という言葉に置き換えられるものは、足す。
サイコロを振って、1 の目が出る確率は 1/6。 「サイコロを振って 1 と 2 の目が出る確率」を言いかえると、 「1 または 2 の目が出る確率」だから、 足して 1/6 + 1/6 = 2/6 = 1/3
サイコロの目、コイントス、など、 直前に実行した事象とは無関係に発生するものを、 独立事象と呼ぶ。
一般的には、事象が 1 つしかないことはないので、 A と B が起こる確率は、
P(A) + P(B) =P(A ∪ B) + P(A ∩ B)
で表される。A が起きて、B が起きていることは、 A または B が起きることと、A と B が同時に起きていることを含む。 これを変形して、A または B が起きる確率は、
P(A ∪ B) = P(A) + P(B) - P(A ∩ B)
と表せる。
A という事象に引き続いて B という事象が起きた。 これらが独立な場合は、
P(A ∩ B) = P(A) × P(B)
が成り立つ。すなわち、コインを 2 回投げても、2 回目も同じ面が出るかどうかは、 1 回目の事象と関係がない。n 回連続でずっと表が出る確率は、 (1/2)n = 1/2 n となる。
A と B がともに起こらないときには、A, B は排反事象であるという。 同時に起こらないので、P(A∩B) はありえない。
1 つのさいころの目は 1 と 2 が同時に出ることはありえない。 これは排反事象である。このような場合、P(A ∩ B) = 0 だから、
P(A∪B) = P(A) + P(B)
コインの表と裏、あるいはある事象とそれ以外(無風と 無風を除いた全ての状態) の場合、 事象 A に対して事象 A の余事象といい、A と書く。 全ての確率を足し合わせると 1 になるから、
P(A) + P(A) = 1
よって余事象は
P(A) = 1 - P(A)
文章としては「少なくとも」が出てきたら、確実に起きないことを引いて、 「少なくとも」を求める。
前に起こった事象 A も考慮して、 その次に起こった事象 B について調べることをを条件つき確率という。 考慮していることを表すため、
P(A ∩ B) = P(A) × P(B|A) = PA(B)
などと記す。どちらが先に起こっても確率は等しいので、
P(A) × P(B|A) = P(B) × P(A|B)
PB(A) = PA(B)
「かつ」「...して、さらに ...」という言葉に置き換えられるものは、かける。
直前に実行した事象と関係するものを、従属事象と呼ぶ。
4 人でくじびきをする。当たりが 2 本あり、 ひーちゃんが当たりくじを引いた。当たりくじを回収せず、今度は 3 人で引いて、 こんどはふーちゃんが引きあてる場合。
空の箱 4 つに 全員が入る入り方は 4! 通り。 また、 当たりくじの箱に入る入り方は、 2 人なので、2! 通り。よって全部で 4!/2! 、すなわち 4C(4-2) = 通りがありうる総数。 ひーちゃんのつぎにふーちゃんが引くのは 1 通りしかないから、 1 / 4C(4-2) = 2 × 1 / (4 × 3) = 1 / 6 通り。
あるいは、最初にひーちゃんが引き当てる確率は 2/4 で、 当たりくじの数(すなわち全部のくじも 1 つ)抜けたあとにふーちゃんが引く確率は 1/3 だから、 2/4 × 1/3 = 1/6 でもよい。
この場合、ふーちゃんが引き当てる確率は、 ひーちゃんが必ず当たりを引くことを前提にしているから、従属である。