ある大きな整数 m についての階乗 m! を考える。 その結果を簡単に近似した数で計算することもできる。
m! = (2 × π × m) 1/2 (m / e) m
と表される。ここで e は自然対数の底 (Napier 数 / Euler 数) のこと。
結果はこちら。 5! や 10!, 11!, 12! までくらいは挑戦してみよう。
計算機で e+6 と表示されるときは、106 = 1000000 の意味であった。
あまりにも数が大きい場合、 オーダー(桁数)の違いだけでも分かるとよいこともあった。
上の式で両辺の ln を取ってみると、
ln m! = m(ln m - 1) + 1/2 ln m + 1/2 ln (2 π) ∼ m(ln m - 1)
左辺は、対数の特徴から、 ln m! = ln m + ln (m-1) + ... + ln 1 と書ける。
心配ならば真ん中の式の第 2 項も含めてその違いを確かめてみよう。 ちなみに 1/2 ln (2 π) は、xcalc で 0.91893 ... となるので、 150 桁程度のなかの 最後の 1 桁に影響する程度である。
5! 程度では全く役に立たないが、近似式でも 50! なら、 誤差が 2% 程度になっている。とくに完全な式の場合は、10! で、 0.1 % の誤差だから、m! で m が大きいとき、 オーダーを知るには ln を取ることで代替してよいということになる。
大きな数の違いを計算したいときに、A が実際の値(真値)、 B が計算した値(実験値)ならば、 その差を Δ A = B - A とし、 Δ A を 実際の値 A で割った値を百分率換算し、 これを百分率誤差と呼ぶ。 数値計算がおおよそ確からしいことを知る指標となる。
百分率誤差 [%] = Δ A / A × 100
次の場合の誤差を求めよ。
測定値の末位の位の数字は、1 つ下の位を四捨五入して得られた値と考える。
測定値が 13 (末位は 1 の位) のときの真の値 x の範囲
とは、1 つ下の位、すなわち小数第 1 位を取って、 12.5 ≤ x < 13.5
数直線で表すと分かりやすい。
ある測定値を得たとき、 真の値との誤差がどの範囲にあるかというところを誤差の程度という。 この例では誤差は最大で 13 - 12.5 = 0.5 なので、 誤差の程度は 0.5 以下である。
7.5 ≤ x < 8.5
6.15 ≤ x < 6.25
25.7 と 25.70 は異なる。25.7 は小数第 2 位を四捨五入して得られた値で、 25.70 は小数第 3 位を四捨五入して得られた値。
(a + b)n
を展開した各項の係数は、組み合わせ記号を使い、
an br の係数は
nCr
で求めることができる。
(a + b)n
の展開係数を知るには、Pascal の三角形の方法がある。