統計の考え方 第 5 回 (Stirling の公式 / Venn 図) 「あまりにも大きな数のときは」 講義ノート目次

あまりにも数が大きい場合、 オーダー(桁数)の違いだけでも分かるとよいこともあった。

上の式で両辺の ln を取ってみると、

ln m! = m(ln m - 1) + 1/2 ln m + 1/2 ln (2 π) ∼ m(ln m - 1)

m = 10, 50 のとき、近似式でどのくらい値が正しいか、 調べてみよう。

左辺は、対数の特徴から、 ln m! = ln m + ln (m-1) + ... + ln 1 と書ける。

心配ならば真ん中の式の第 2 項も含めてその違いを確かめてみよう。 ちなみに 1/2 ln (2 π) は、xcalc で 0.91893 ... となるので、 150 桁程度のなかの 最後の 1 桁に影響する程度である。

5! 程度では全く役に立たないが、近似式でも 50! なら、 誤差が 2% 程度になっている。とくに完全な式の場合は、10! で、 0.1 % の誤差だから、m! で m が大きいとき、 オーダーを知るには ln を取ることで代替してよいということになる。

誤差の求め方

大きな数の違いを計算したいときに、A が実際の値(真値)、 B が計算した値(実験値)ならば、 その差を Δ A = B - A とし、 Δ A を 実際の値 A で割った値を百分率換算し、 これを百分率誤差と呼ぶ。 数値計算がおおよそ確からしいことを知る指標となる。

百分率誤差 [%] = Δ A / A × 100