AL形態 課題学習PBLグループW フィールドWプレゼンディベート 振り返り
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教職 中学高校(公民) 高校(地歴)
  
地域に関する学習 地域区分学びの基本学習地域の背景学習 地域課題の認識地域課題の解決
庄内
他地域
社会福祉 社会福祉士社福任用
  
実務家文理横断
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科目名
(英語名)
__科目名__ (__科目名(英語)__)
担当教員 成瀬 正憲
開講時期 __開講時期__
科目ナンバー __科目ナンバー__
授業コード 1211
単位 __単位__
授業概要 この講義では、人類学を「人間とは何か」を探究する学問として、また世界に残された知恵と経験を「私たちはどのように生きるべきか」に注ぎこむ研究分野として位置づけ、自らを基準に物事を考えるのではなく、自身が採用している思考の枠組みそのものを揺り動かし、そこにみえてくるものから自身を問い返し、今日「他者」とともに生きることはどのようなことかについて理解を深める。
到達目標 ①文化人類学の基本的な概念、方法論について理解する。②人類の多様な営みについて具体的に学び、それまで自明としてきた自身の認識の枠組みを問いなおす。③別の可能性とともに世界を想像する力と柔軟さを養う。④そこから現代の抱える諸課題について考察する力を培い、生きることへの理解を深める。
スキルの育成方法 講義を通じて新たな視座の獲得と問いの発見を促す。毎回のコメントペーパーを通じて読解と記述力を基礎づける。課題やディスカッションへの取り組みを通じ、新たな視座のもとで認識を組みたて、他者と伝達し合う術を養う。全体を通じ今日的課題への洞察を養う。
授業計画
授業内容事前事後学修内容・所要時間
1人類学とは何か・人類学はどのように行われるか/〈世界とともにある知恵〉としての人類学\n⇒第1回目の講義では、人類学がどのような学問分野であるか、どのような方法論によって行なわれる研究なのかを確認し、今日の諸研究を踏まえて〈世界とともにある知恵〉として人類学を位置づける。予習:文化人類学について辞書・辞典で調べておく(60分)\n復習:コメント、資料見直し(60分)
2人類学前史—「新大陸の発見」と「植民地主義 Colonialism」/映像を通じて学ぶⅠ\n⇒第2回の講義では、人類学誕生の前史をひもとく。アメリカ大陸の「発見」とそれがもたらした植民地化(colonization)の災厄について、映像資料を通じて理解を深める。予習:新大陸の発見について調べておく(60分)\n復習:コメント、資料見直し(60分)
3「グローバリズム Globalism」と「植民地主義 Colonialism」/映像を通じて学ぶⅡ\n⇒第3回目の講義は、前回に続き映像資料を通じて学んでゆく。15世紀の「新大陸の発見」から現代の「グローバリズム Globalism」にいたる「植民地主義 Colonialism」の諸問題を理解し、今日の世界について洞察を深める。予習:植民地主義について調べておく(60分)\n復習:コメント、資料見直し(60分)
4なぜ「文明」は「野蛮」をつくりだすのか/他者とともに生きるとはⅠ\n⇒第4回目の講義では、第2・3回の講義を振り返り、「文明」による「野蛮」の表象メカニズムを分析する。それを通じて「—中心主義」(自民族中心主義、自文化中心主義など)の諸形態が今日もいたるところでもたらしている排斥・排外を確認し、現代社会の諸問題へと関心をつなげるとともに、「他者」とともに生きる思考をひもとく。予習:第2,3回講義の内容をよく復習しておく(60分)\n復習:コメント、資料見直し(60分)
5「資本主義 Capitalism」と「奴隷制 Slavery」/他者とともに生きるとはⅡ\n⇒第5回目の講義では、新大陸発見後のスペインによるアメリカ大陸先住民の奴隷化と、イギリスに産業革命をもたらした奴隷制とを検討し、「奴隷化」という人間性を否定するプロセスと「資本主義 Capitalism」とが深く関わってきた歴史を学び、<近代>とはどのような時代であるかを考える。予習:奴隷貿易について調べておく(60分)\n復習:コメント、資料見直し(60分)
6「人種」は存在しない/他者とともに生きるとはⅢ\n⇒近代に起こった排外主義の一つが「人種主義 Racism」。第6回目の講義では、「人種 Race」がいかに根拠のないつくられた概念であるかを確認し、同時に近代以降のアイデンティティ形成に目を向け、どのようにして他者を排斥することなく自らの拠り所となる帰属意識をもつことができるかを考える。予習:人種主義について調べておく(60分)\n復習:コメント、資料見直し(60分)
7家父長制 Patriarchyを明るみにだす/他者とともに生きるとはⅣ\n⇒第7回目の講義では、家父長制—つまり多くの場合男性であるところの「家父長」による女性に対する抑圧の体制と、それがもたらし続けている諸問題について、東北地方のフィールドワークを分析し、ジェンダーとフェミニズムの研究も踏まえ、これからの社会のあり方について考える。予習:家父長制について調べておく(60分)\n復習:コメント、資料見直し(60分)
8ディスカッションⅠ—いくつもの問題を越えて私たちの生と社会を考えるために\n⇒第8回~第10回の講義では、まずこれまでに学んだことを振り返り、「問題となっていることは何か」とみずから問いを立てる、その手法を学ぶ。次に小グループに分かれて主題についてのディスカッションを行い、クラス全体で考えを共有することで理解を深める。学習してきた人類学の諸研究から現代が抱える諸問題をみる視座を養う。予習:ディスカッションの準備をしておく(60分)\n復習:議論をまとめ、ミニレポートを準備する(60分)
9ディスカッションⅡ—いくつもの問題を越えて私たちの生と社会を考えるために\n⇒上に同じ予習:ディスカッションの準備をしておく(60分)\n復習:議論をまとめ、ミニレポートを準備する(90分)
10ディスカッションⅢ—いくつもの問題を越えて私たちの生と社会を考えるために\n⇒ディスカッションを振り返り、自分の考えをまとめてゆく予習:ディスカッションの準備をしておく(60分)\n復習:議論をまとめ、ミニレポートを作成し(150分)、次回講義時に提出
11「野生の自由」Ⅰ\n⇒第11~13回の講義では、人類学者デヴィッド・グレーバーと考古学者デヴィッド・ウェングロウの著作『万物の黎明』を読み解いてゆく。文章読解力を身につけながら、西洋文明に発するとされてきた「自由」や「平等」などの重要な価値観が、西洋の入植者がアメリカ大陸先住民によって自らの封建性を批判されたところに生まれてきたという人類史のくつがえしについて理解する。多様に社会を編んできた人類の来し方をたどり、「未開社会」の「野生の自由」を学び、閉塞する現代を相対化する諸可能性への想像力を養う。予習:事前に配布する資料(『万物の黎明』のうちの一章)を読んでおく(60分)\n復習:コメント、資料見直し(60分)
12「野生の自由」Ⅱ\n⇒上に同じ予習:事前に配布する資料(『万物の黎明』のうちの一章)を読んでおく(60分)\n復習:コメント、資料見直し(60分)
13「野生の自由」Ⅲ\n⇒上に同じ予習:事前に配布する資料(『万物の黎明』のうちの一章)を読んでおく(60分)\n復習:コメント、資料見直し(60分)
14今日、「他者」とともに生きることはどのようなことか\n⇒最終講義では、これまでの学習内容をまとめる。あわせてレポート作成に向け文章構成について学ぶ。講義を復習し、レポートに向け自身の考えをまとめていく(必要分)

受講者の事前知識と進度により適宜変更する。

成績評価基準 授業毎回のコメントペーパー(30%)とミニレポート(20%)、レポート(50%)で評価をする。
前提科目
後継科目
教科書 指定なし。各テーマごとに資料配付。
参考書 講義毎にその背景となる文献を紹介。
その他・注意事項

特になし

SDGs