科目名 (英語名) |
文化人類学
(Cultural Anthropology) |
担当教員 |
成瀬 正憲 |
開講時期 |
秋学期 |
科目ナンバー |
SLA120 |
授業コード |
3351 |
単位 |
2 |
授業概要 |
人類学は「人間とは何か」を探求する学問である。この学に培われてきた研究をもとに、地球上の多様な文化の経済、社会、政治のあり方を学ぶことで事象に対する認識を人類学的に拡張し、「他者」への理解を深める。さらに人間中心的主義への批判的検討を通じて、人と人をとりまく諸存在との関係性を考察する。「公益」を人間にとって「公益」から、人間とその他の存在にとっての「公益」へと開き、その人類学的アプローチを養う。 |
到達目標 |
①文化人類学の基本的な概念、方法論、学史について理解する。②人類の文化的多様性について具体的に学ぶ。③人類という普遍性から事象を捉える視座を得る。④その視座から現代の抱える課題や「公益」について考える力をつける。⑤他者への理解、自明性への再考、現代について多様な見方で考えるようになることを目指す。 |
スキルの育成方法 |
講義を通じてそれまで自明としてきた認識の枠組みを再考し、新たな視座と問いの発見を促す。毎回のコメントペーパーを通じて読解と記述力を基礎づける。口頭発表・ディベート・ディスカッションへの取り組みを通じ、新たな視座のもとで認識を組みたて、他に伝達し合う術を養う。全体を通じ公益的課題への洞察を深める。 |
授業計画 |
回 | 授業内容 | 事前事後学修内容・所要時間 |
1 | イントロダクション—フィールドワーク、民族誌、文化相対主義、多文化主義・多自然主義 | 事前に文化相対主義と多文化主義について調べ、意見をまとめておく(60分) |
2 | 人類学から経済を考えるⅠ—経済観の拡張:クラ交易 | そもそも人にとって経済的行為とは何か、考えをまとめておく(60分) |
3 | 人類学から経済を考えるⅡ—贈与・交換・負債 | 講義レジュメを復習し、自身の経済についての考えとの違いをおさえておく(60分) |
4 | 人類学から経済を考えるⅢ—市場の成立と「人間の経済」 | 人類にとっての経済を位置づけ、そこから公益的な経済のあり方について考え、プレゼンにまとめる(120分) |
5 | プレゼンテーション—人類学から考える経済と「公益」 | 人類にとっての経済を位置づけ、そこから公益的な経済のあり方について考え、プレゼンにまとめる(120分) |
6 | 人類学から政治社会を考えるⅠ—様々な社会:首長制・無頭制・分節社会 | そもそも人にとって社会とは何か、考えをまとめておく(60分) |
7 | 人類学から政治社会を考えるⅡ—国家に抗する社会の政治人類学研究 | そもそも人にとって国家とは何か、考えをまとめておく(60分) |
8 | 人類学から政治社会を考えるⅢ—「ゾミア」と穀物の世界史 | 近代の社会契約論について調べ、考えをまとめておく(60分) |
9 | ディベートとディスカッション—人類にとっての政治社会と近代社会契約論 | 社会のあり方について、グループワークを行い、ディベートの準備をしておく(120分)。 |
10 | 野生の思考Ⅰ—クロード・レヴィ=ストロースと構造人類学 | 事前に構造主義について調べておく(60分) |
11 | 野生の思考Ⅱ—「近代」とは何か、ブルーノ・ラトゥールとともに | 事前に近代について考えをまとめておく(60分) |
12 | 野生の思考Ⅲ—自然と文化を越えて、フィリップ・デスコラとともに | 講義を復習し、期末試験に向け自身の考えをまとめていく(60分) |
13 | まとめ | 全講義を復習し、期末試験に向け自身の考えをまとめていく(60分) |
14 | 期末試験 | 全講義を復習し、期末試験に向け自身の考えをまとめていく(60分) |
受講者の事前知識と進度により適宜変更する。
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成績評価基準 |
人類学で学んだ経済の視点から「公益」についての考察を発表するプレゼンテーション(20%) 人類学で学んだ社会の視点から今日の社会について論じるディベートとディスカッション(30%) ある主題に対し論述する期末試験(50%) |
前提科目 |
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後継科目 |
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教科書 |
指定なし。各テーマごとに資料配付。 |
参考書 |
各講義毎にその背景となる研究書を紹介。 |
その他・注意事項 |
特になし。
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