科目名 (英語名) |
倫理学
(Ethics) |
担当教員 |
倉持 一 |
開講時期 |
秋学期 |
科目ナンバー |
SLA112 |
授業コード |
2460 |
単位 |
2 |
授業概要 |
倫理とは、ややもすれば見落とされがちな規範の根拠について深く考える学問です。言い換えれば、「よい」「わるい」、「やるべき」「やらないべき」といった判断について「どうしてそう言えるのだろうか」を考え、理由を示そうと努力することです。本科目では、これまでに展開された倫理学に関する代表的理論を事例を交えながら取り上げ、それをディスカッションしながら整理し、考察していきます。 |
到達目標 |
社会の出来事や学生の皆さんの行動の根拠について、規範的な考え方から分析を行い、それを他者が理解できるような理論・表現で説明できるようになることが、本科目の目標です。また、経営学と倫理学との重なり合う新しい分野へのアプローチも行い、企業活動について倫理的に分析できるようになることも目標の一つです。 |
スキルの育成方法 |
倫理学の基本は「考える」ことです。しかし、それは独話ではなく対話です。本科目は、この倫理学の基本を踏まえ、教員と履修者あるいは履修者同士による対話を重視し、多用します。それにより、学生の傾注力、発信力といったコミュニケーション技術だけでなく、論理的思考力や社会課題への感受性も高めます。 |
授業計画 |
回 | 授業内容 | 事前事後学修内容・所要時間 |
1 | イントロダクション(倫理学とはいかなる学問なのか、授業の進め方) | 「トロッコ問題」について自己の意見を理由とともにまとめてくる(2H) |
2 | 人を助けるために嘘をつくことは正しいのか?:カント | カントの主張に対する自己の考え方(賛同するのか反対するのか)を理由とともにまとめてくる(2H) |
3 | 10人の命を救うための1人の犠牲は許されるのか?:功利主義 | 功利主義者の主張に対する自己の考え方(賛同するのか反対するのか)を理由とともにまとめてくる(2H) |
4 | 誰を優先して救助すべきなのか?:最大多数の最大幸福 | 今一度、「トロッコ問題」について自己の意見を理由とともにまとめてくる(2H) |
5 | 幸福はどうやって計測するのか?:功利主義の再検討 | 幸福に対する自己の意見を理由とともにまとめてくる(2H) |
6 | 正義とは何なのか?①:カントとヒューム | 正義に対する自己の意見を理由とともにまとめてくる(2H) |
7 | 正義とは何なのか?②:ロールズ | ロールズの主張に対する自己の缶換え方(賛同するのか反対するのか)を理由とともにまとめてくる(2H) |
8 | 独話と討議の倫理性:ハーバーマス | ハーバーマスの主張に対する自己の缶換え方(賛同するのか反対するのか)を理由とともにまとめてくる(2H) |
9 | 正直者が損をすることを防ぐためには?:囚人のジレンマ | ジレンマの解消策に対する自己の意見を理由とともにまとめてくる(2H) |
10 | 豊かな人は貧しい人を助ける義務があるのか?:完全と不完全な義務 | 義務に対する自己の意見を理由とともにまとめてくる(2H) |
11 | 応用倫理学(経営倫理①):企業ガバナンスを倫理的に分析する | 授業中に出された企業ガバナンスに関するテーマに対し自己の意見を理由とともにまとめてくる(2H) |
12 | 応用倫理学(経営倫理②):企業活動の功罪を倫理的に分析する | 授業中に出されたCSR(企業の社会的責任)に関するテーマに対し自己の意見を理由とともにまとめてくる(2H) |
13 | 前回までの授業の振り返りとまとめを行い、倫理学を体系的に整理する | 授業中に出された経営倫理に関するテーマに対し自己の意見を理由とともにまとめてくる(2H) |
14 | 定期試験 | |
受講者の事前知識と進度により適宜変更する。
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成績評価基準 |
定期試験80%(論述式100%)。各回授業内でのディスカッションへの参加・貢献20%。 |
前提科目 |
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後継科目 |
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教科書 |
必要に応じて授業内で指示します。 |
参考書 |
加藤尚武(1997)『現代倫理学入門』講談社学術文庫、993円(税込)、ISBN978-4061592674 |
その他・注意事項 |
倫理学の学習には、自己意見の表明と他者意見への傾聴が必要です。そのため、本科目は教員・履修者のディスカッションを多用しますが、相手の意見を批判することは禁じます。「こんな意見もある」「こういう見方はどうだろう」などと、提案型で展開していきます。
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