ドローン

ドローンにまつわる飛行のための技術的背景と、 関連法規についてまとめる。

ドローンの機体

ヘリコプター

垂直方向に向いたプロペラで揚力を得るものの代表に ヘリコプターがある。プロペラを回転させる反作用は、機体を逆方向に 回す力を生む。ヘリコプターはテールローターでその回転を打ち消す。

前進するときは、 プロペラの捻りを調整し後方のプロペラの揚力を相対的に前方のものより増す。

マルチコプター

ヘリコプターではテールローターで反作用の回転力を打ち消すが、 偶数個のプロペラをそれぞれ逆回転させることで相殺するのがマルチコプター である。

ドローンの操作体系

{左右のスティック2本}×{上下+左右(2)} = 2×2 = 4通りの操作体系がある。 それぞれ Mode1, Mode2, Mode3, Mode4 と呼ばれ、 日本で一般的に使える機種では Mode1 と Mode2 が大半を占める。

Mode1

Mode1 は日本で普及している操作体系で 農薬散布用ヘリコプターなどで利用されている。

【左スティック】 【右スティック】
エレベーター スロットル
前進 上昇
ラダー左回転 ← → 右回転 左移動 ← → 右移動 エルロン
後退 下降
Mode2

Mode2 は欧米で主流の操作体系である。 右スティックだけで水平面移動ができるため、 慣れないうちでもホバリング操作しやすい。

【左スティック】 【右スティック】
スロットル エレベーター
上昇 前進
ラダー左回転 ← → 右回転 左移動 ← → 右移動 エルロン
下降 後退

どちらを選ぶかは好みの問題だが、日本において農薬散布や測量等の 業務に従事する可能性を残すなら必然的に Mode1 で、ドローンレース等を目指すなら Mode2 が望ましい。

ドローンを自由に飛ばせる条件

機体に依らず制限を受けるもの

100g以上の機体

100g以上の機体は航空法の適用を受ける。

国土交通省: (1)無人航空機の飛行の許可が必要となる空域について

以下のいずれかの空域においては、事前に国土交通大臣の許可を 受ける必要がある。

また、場所に関らず以下の条件に該当する場合も許可が必要である。

無人航空機(ドローン、ラジコン機等)の安全な飛行のためのガイドライン

もちろん催し物などの場合は、主催者、土地所有者の許可が別途必要である。

ドローン飛行に必要な技能

技能の規準

国土交通省 「無人航空機 飛行マニュアル」に準ずる技能を修得することが必要。 概要をまとめた能力確認書の概要は以下のとおりである。

練習における重要点

技能段階に応じた練習を進め、 1機種あたり10時間以上の飛行実績を作るよう心掛ける。 要点をまとめると以下のようになる。

飛行実績を重ね最終的に国土交通省から承認を得たあとも 飛行機録の提出は継続的に必要になる。 以下のような要件を満たす記録簿を用意し記入する習慣をつける。

年月日氏名飛行概要機種離陸場所離陸時刻着陸場所着陸時刻飛行時間総飛行時間安全に関る特記事項
 

この講義での練習には flight-Log.pdf に記入するとよい(印刷してもよいしCalcで開いて表計算編集してもよい)。

気象に対する配慮

日々の管理

yuuji@koeki-u.ac.jp