画像の一括変換処理

デジタルカメラで撮影して集めた写真を公開する用途に使う場合, おおむね以下の処理が必要となる。

  1. 作業場所(ディレクトリ)に画像ファイル群をコピーする
  2. 公開するものを選別する
  3. 使用場所に適したサイズに縮小する

それぞれ,それに適したツールを効果的に使えば効率的に進む。 手になじむものがあればどれを使ってもよいが,ここでは上記 2,3の手順について,royで利用できるソフトウェアを用いた例を簡潔に示す。

画像選別

geeqie を利用した画像の閲覧操作を示す。

起動

geeqie & で起動するとビューア画面が出る。 起動時にディレクトリを指定するとそのディレクトリにある画像 一覧が出る。

主な操作キー
SPC次の画像
BS前の画像
tサムネイル表示ON/OFF
C-k画像情報表示ON/OFF
C-eExif情報ウィンドウ
z等倍表示
xウィンドウサイズ表示
[ または ] 90度回転
l (える)リスト表示分離/合体
C-hリスト表示隠す/出す
C-wウィンドウを閉じる
i画像info
kinfoのヒストグラムモード
jinfoのヒストグラムLog/Linear
e上下分割
u左右分割
y分割解除

初回起動したらまず t をタイプして,リストウィンドウにサムネイル を出しておくとその後の作業がやりやすい。

また,C-o のcOnfiguration(設定)画面の「Image(画像)」 タブで,

When new image is selected:Fit image to window
新しい画像が選択された時:ウィンドウにフィットさせる

を選んでおくと見やすい。

画像選択とコピー/移動

1枚以上の画像を選択してコピーや移動の操作ができる。 表示している画像は選択されている状態になっている。 複数画像を選択する場合はサムネイル画像を Shift-クリック(連続選択) または Ctrl-クリック(飛び石選択)する。

画像ファイルを選択した状態で以下の操作が可能。

C-cCopy 画像ファイルのコピー
C-mMove 画像ファイルの移動
C-dDelete 画像ファイルの削除
コレクション

キーボードで c をタイプするとコレクションウィンドウが 現われる。多数の画像を目的ごとに分類するときなどに有用である。 画像リストから選んだ画像をコレクションウィンドウにドラッグすると コレクションに追加される。コレクションそのもの,つまり選んだ結果 の一覧表を保存したりすることもできる(コレクションウィンドウで 右クリック)。不要になったコレクションウィンドウは C-w で閉じる。

セレクト

選別用に,画像ごとに1番から6番までの臨時マークを付けられる。 失敗作を除外して,残ったものからよいものを段階的に選別する などの作業に有用である。

mマーク表示ON/OFF
1〜6その番号のマークをON/OFF
マークヘッダの□をクリック 該当番号のマーク画像だけにフィルタリング

使い方は自由だが,最良の1枚を選ぶまでの流れの一例を示す。

  1. geeqieを起動して画像一覧を開き m でマーク表示を出しておく。
  2. SPCで順次見て行きピンぼけなど失敗と思えるものは素通りする。
  3. 失敗していないものは 1 を押してマーク1を付けて進む。
  4. 一通り見てマーク1を付け終わったらマークヘッダの1番の□を クリックして1の付いたものだけにフィルタする。
  5. より詳しく見て,上出来と思うものにマーク2を付けていく。
  6. マーク2を付けたものだけにフィルタする。
  7. 以下,画像が選び切れるまでマーク3,4,…と勝ち抜き戦を進める。

画像に評価点を付ける作業をレーティングという。

一括リサイズ

特定のディレクトリにある複数の画像ファイルをまとめて 適正なサイズに縮小する方法を2つ示しておく。

ImageMagickを利用した一括リサイズ

ImageMagick は,様々な形式の画像ファイルの加工を非対話的に行なうプログラムの 集合体で,そのうちの mogrify コマンドは一括加工が行なえる。 一括リサイズを行なうには,-geometry オプションを用いる。

mogrify -geometry 300x200 *.jpg

この例は,カレントディレクトリにあるすべての *.jpg ファイルを 300x200 の大きさにリサイズする。ただし,アスペクト比は 保持される。アスペクト比を崩しても指定した大きさにしたいときは geometryの値の後ろに '!' を付ける。

mogrify -geometry 300x200'!' *.jpg

rjpgを利用した一括リサイズ

デジタルカメラで撮影した画像はサイズが大きく,そのまま利用・保存する と大きすぎる場合が多い。画像の主な利用形態に応じて, あらかじめ最適なサイズにしておくとその後の処理もスムーズになる。

rjpg を用いると,複数の画像をまとめてリサイズし,同時にファイル名を日付順に 付け変え,Exifヘッダも移植することができる。作業の一例を示す。 あらかじめメモリカードからハードディスク上の ~/photo に画像ファイルがコピーしてあるものとする。

cd ~/photo
mkdir 1200
cd 1200
rjpg -l 1200 -u ../*.jpg

この例は幅1200ピクセルの画像に揃えるもので,作業後に分かりやすくするため, 1200という名前のディレクトリの中に,ひとつ上位のディレクトリ(../)にある すべての画像ファイルを1200にリサイズしたものを作成している。

その他の写真管理ツール

幅広いプラットフォームで利用できる, Shotwell というツールがある。

参考: Shotwellで写真管理を始めよう(前編) Shotwellで写真管理を始めよう(後編)

yuuji(atmark)e.koeki-u.ac.jp