国土数値情報の利用

国土交通省では土地や水域などの地形のみならず、政策区域や地域ごとの施設、主要交通設備、地区ごとの人口統計などを GISで利用できる数値として公開している。これらの数値データを元に、QGISとuMapを活用し視覚情報として Web公開できるようにする流れについて簡単に説明する。国土交通省によるデータのみならず、同様の形式で公開されているデータであれば同じ手順で

大まかな流れ

国土数値情報のサイトから必要なデータを探しデータファイルを入手する。
圧縮ファイルから中のファイルを取り出す。このとき別々のデータファイルが混ざらないよう展開するディレクトリを用途ごとに分けるよう注意する(元々ディレクトリごとになっているものもある)。
QGISでデータファイルをベクタデータとして専用レイヤに読み込み、埋め込まれている属性情報を表形式で確認する。
属性のうち地点の名称となる属性名を name に、概要説明になる属性名を description に変更する(uMapでポップアップタイトルにしてもらうため)
そのレイヤを保存(名前を付けてエクスポート)し、GeoJSON ファイルにする。
そのGeoJSONファイルをuMapで作成している地図にアップロードし保存する。

手順

データー入手:
国土数値情報ダウンロードサービスを開き、
欲しいデータを探してzip形式でダウンロードする。
展開:
保存したディレクトリでターミナルを開く。たとえば保存ファイルが D00.zip だとする。まず、
```
unzip -v D00.zip
```
として、中身のファイルが単一ディレクトリに入っているか調べる。入っている場合は、
```
D00/d00_00.dbf
D00/d00_00.prj
D00/d00_00.shp
D00/d00_00.shx
D00/d00_00.xml
```
の D00/ のように同一ディレクトリがあればよいが、 そうでない場合は展開用の新規ディレクトリを作成しておく。名前は何でもよいので mkdirでディレクトリを作成してそこに移動してから一つ上(..)にある zipファイルを展開する。
```
mkdir data00
cd data00
unzip ../D00.zip
```
属性確認:
1. qgisを起動する
2. 左メニュー XYZ TilesでOSMまたは国土地理院を選択し地図表示
3. メニュー: レイヤ(L) → レイヤを追加 → ベクタレイヤを追加
  で、[文字コード] を Shift_JIS にする。Shift_JIS を探すときにキーボードから sh と押すとすぐ見つかる。
4. 「ソース」のファイル選択で、unzipして得られた .shp ファイルを選び「追加(A)」ボタンを押してCloseで閉じる
5. 左下「レイヤ」ペインに追加されたベクタレイヤを右クリック
  「属性テーブルを開く」を選択し属性名を確認し、その地点の名称と概要に相当する属性名をメモする。
属性名変更:
1. 左下「レイヤ」ペインの当該ベクタレイヤの行を再度右クリック「プロパティ」を選ぶと属性値の詳細設定画面が出る。
2. 左の「属性」で表形式で開き上の方にある「エンピツ」アイコンをクリックすると編集可能になるので「名称」にしたい名前をダブルクリックして name に変え、概要にしたい名前を description に変更し、最後に「Apply」ボタンを押し、OKで閉じる。
GeoJSONエクスポート:
1. 当該ベクタレイヤでまた右クリックし、「エクスポート」→ 「新しいファイル名で地物を保存」を選ぶ。
2. 「形式」を「GeoJSON」にしてファイル名を決めて[OK]を押す。
uMapへの登録と公開:
1. uMap を開いてログインし、自分の地図を開き、編集モードに入る。
2. (↑)アップロードボタンで先に作ったGeoJSONファイルを選択する。
3. その他、マップの名称などを適切に定めて保存する。
4. 共有ボタンを押して出てくる「短縮URL」を公開する。

参考文献

GIS 実習オープン教材. GIS Open Educational Resources WG, CC BY-SA 4.0. https://gis-oer.github.io/gitbook/book/.

yuuji@koeki-u.ac.jp