解説書の種類と用途

読者がどのような状況で解説書を読むのか、 それに応じた構成のものを書き分ける必要がある。

1. 初期段階 - 問題に初めて遭遇する → 【厳選FAQ】
2. 中期段階 - ある程度理解してもっと広く深く知りたい → 【詳説】
3. 日常段階 - ど忘れしたときに調べ直したい → 【クイックリファレンス】

初期段階のための説明

前提知識がない状態の読者は、とにかく目の前の困ったことを 1秒でも早く対処したいという焦燥心に支配されている。そのような場合は 長文はほとんど読む余裕がないため、最小限の重要項目だけが書いてある 早引きの説明書が必要となる。

中期段階のための説明

前提知識をある程度獲得したあとでは、関連する情報を幅広く得たいという 欲求が出るため、詳細を網羅的に記したもの必要となる。

日常段階のための説明

関連する知識は分かっているが、具体的な事柄を忘れてしまった場合に 「分かっている人が読めば分かる」 程度の一覧型式のクイックリファレンスを用意する。

出席課題

Mewの操作のクイックリファレンスを作成せよ。 Writerではなく、メイル本文に書けばよい。

マスタードキュメントと分割管理

大きな文書を作成する場合、単一ファイルでは「重く」なり効率が悪い上、 複数人での分担が困難となる。その場合に、担当や章ごとに文書ファイルを 分けて作成し、「マスタードキュメント」から呼び出すようにするとよい。

マスタードキュメントは、OpenOffice.org(LibreOffice) の新規作成メニューの「マスタードキュメント」から作成する。

マスタードキュメントを利用した文書作成の練習

以下の手順で作成練習をせよ。

1. 3つの「普通の」文書ファイルを作成する。ファイル名は bun-1.odt, bun-2.odt, bun-3.odt とし、 内容は「見出し2」に見出しを書き、その直後に本文段落を書く。 たとえば、見出し2に日付を書き、本文にその日の内容を書く。 3つ作成した文書ファイルは全て保存する。
   例:

   bun-1.odt		bun-2.odt		bun-3.odt
   12月1日 今日は………		12月2日 今日は………		12月3日 今日は………

2. 「マスタードキュメント」を新規作成する。 文書先頭にスタイル「タイトル」で文書全体のタイトルを記す。

3. 「ナビゲーションウィンドウ」が出る。

   

   「テキスト」の部分を「右クリック」し、 「挿入」→「ファイル」で、1で作成した3つの文書を順に取り込む。

4. 挿入順序が違ったらナビゲーションウィンドウでファイル名を ドラッグして順序を変える。

   

5. マスタードキュメントを保存して完了。 また印刷プレビューしてどのように印刷されるかのイメージを見る。

文書全体の構成と分担決定

1. 表紙
2. 前書き
3. 目次
初期段階のためのQ&A
中期段階のための詳細な説明群
まとめとしてのクイックリファレンス
4. 索引
5. 発行者情報

現時点では下線で示した3つの具体的な章割と分担を決定する。 以下の手順で章の内容を決める。

1. 詳細説明を50項目以上決める(現時点では既存の個数でよい)。

2. 詳細説明のうち本当の初期に必要なものを10個程度選び、 初期段階Q&Aにする。

3. 詳細説明のうちのちのち何度も必要になる知識を10個程度選び、 クイックリファレンスにまとめる。

   詳細説明 50項目程度	初期にのみ必要 →	初期段階 Q&A
   ↓後々も必要
   クイックリファレンス

4. さらに、詳細説明を2〜5のグループに分類し、別々の章にする。

分担決めは以下のようにする(参考)。

• 詳細説明の割り当てを決める
• 詳細説明の分担が少し軽い者が2(前書き)〜4(Q&A)を担当
• 詳細説明の分担が2番目に軽い者が6(クイックリファレンス)を担当
• 1(表紙)は全員で協力してデザインする
• 分担で分けた文書のファイル名を全て決定する。

以下を参考にせよ。4人チームで詳細説明5つに分ける場合の例である。

「詳細説明」を分類し(人数以上の数に)分割し分担とファイル名も決定せよ。 それらを保存するディレクトリを新規に作成して別のファイルとは分けておくこと。

課題

自分の分担のファイルをすべて作成し、グループの他のメンバーの ファイルも受け取る。全ての文書を統合するマスタードキュメントを 各自作成し、マスタードキュメントを「PDFにエクスポート」 したものを提出せよ。「表紙」と「詳細説明」に該当する部分だけでよい。

修正不十分のものは再提出とする。