ソフトウェアの動く部分のことをプログラムと呼ぶ。 計算機上で動くプログラムは,様々なプログラミング言語で書かれている。 それらの言語のうち,とくに日常で頻繁に発生する処理を行なうプログラムの 生産性を高めることを主眼に入れて設計されているものがある。 気軽にササッと書いて実行できるプログラムのことをとくに スクリプトと呼ぶことがあり,気軽に実行できることを 主眼の一つとして作られた言語のことをスクリプト言語と呼んだりする。
本講で対象としているRubyも,スクリプト言語の一つで,それ以外にも awk, Perl, Python, Lua などが挙げられる。これらはどれも, 人間が書いたプログラムをそのままの形で逐次実行するインタプリタ型言語で, プログラムの作成時に必要な手間が少ないのが特徴である。
「気軽に書いてすぐ使える」のがスクリプト言語の特徴で, 目の前にある自分だけの問題を解決するプログラムを, 自分だけのアイデアで手軽に作成できることは大きな利点である。 この特徴を活かすため,自分の仕事が一番楽になるようなプログラムの作成を 思いつけるようになり,さらにそれを作るときに最も速く確実な 手法を適切に選べるようになることを目指す。
「ある問題を解決するためのプログラム」を手際よく作るためには, 逆説的だがプログラムを作らずに済ませるための知識も必要不可欠である。 スクリプト言語を利用する上では,言語そのものの組み立て方と同じくらい オペレーティングシステムに関連した知識も重要である。 それらを総合的に学び,計算機をよき家来として使えるようになろう。