roy > naoya > 情報リテラシーII > (47)表計算[2]-計算と関数
(7) 表計算[2]-計算と関数
[1]今日のファイル
本日もエクセルファイルをダウンロードして作業を行ってみる。本日のテーマは計算と式の複写、合計や平均値、空白のセルを調べる等の関数の利用である。
以下のハイパーリンクを右クリックして対象ファイルを保存する。
ファイルを開くと、5枚のシートがある。最初の4枚が学習用シートで、次の1枚が復習問題のシートである。順番に作業を進め、最後に復習問題に挑戦しよう。
[2]計算式の入力
前回まではCalcの基本的な操作方法について学んだ。今回はCalcを用いた計算を行ってみよう。
セルに値を入力する際に先頭に=をつけると、それは単なる値ではなく式として受け取られる。
例えば=100+200と入力すると、先頭に=があるため式として認識され、100+200を行った結果の300が表示される。単に100+200と入力すると、先頭が=でないため式として認識されず、画面にも100+200と表示される。
[3]セル参照を用いた計算
A | B | C | |
1 | 100 | 200 |
A1に100、B1に200が入力されているとする。ここでC1に100+200の計算を行うとする。上記の方法を用いるのであれば、=100+200と入力すればよい。しかしせっかくデータが既に入力してあるのに、いちいち入力するのは面倒くさい。これはセル参照という方法を用いることで解決できる。具体的には以下のように入力する。
=A1+B1
A1やB1はキーボードから入力しても良いし、マウスで該当するセルをクリックしても良い。いちいち入力するのは面倒なので、マウスでクリックしたほうが良い。この場合=と入力した後でA1をクリックし、+と入力してからB1をクリックする。そして[Enter]を押すと計算結果が表示される。
セル参照を用いて式を書いておくと、単に書くのが楽なだけでなく、A1やB1のセルの値を変更すると、それに伴って計算結果も変更してくれるという利点がある。
[4]式の複写
セル参照を用いて式を書いておくと、式を他のセルに複写することも可能となる。
A | B | C | |
1 | 100 | 200 | 300 |
2 | 300 | 400 | |
3 | 500 | 600 |
今C1に=A1+B1という式を書いたとしよう。セルには計算結果の300が表示されているはずである。ここでC1をコピーしてC2とC3に複写してみよう。コピーして貼り付ける方式でも良いし、オートフィル機能を使ってもかまわない。この結果、C2、C3は以下のように表示される。
- C2:セルの表示:700、計算式:=A2+B2
- C3:セルの表示:1100、計算式:=A3+B3
コピーをしたC1は「=A1+B1」と書かれていたが、コピーをして1つ下のC2に複写すると参照するセルも1つ下に下がり「=A2+B2」となっている。2つ下のC3に複写すると参照するセルも2つ下に下がり「=A3+B3」となる。セル参照をした式を他のセルに複写すると、参照するセルも相対的に変化する。このような機能を相対参照という。
[5]関数への導入
A | B | |
1 | 100 | |
2 | 200 | |
3 | 300 | |
4 |
上記のようなケースを想定し、A4にA1からA3の合計を求めてみる。この場合、これまでに学んできた方法では以下の2種類があった。
- 数値を直接入力:=100+200+300
- セル参照:=A1+A2+A3
3つの数の足し算を行うのであれば、数値を直接入力しても、セル参照で式を書いてもかまわない。しかし、A1からA1000までの1000個の合計を求めようとする場合、これらいずれの方法でもきわめて手順が多くなり面倒である。
エクセルを初めとする表計算ソフトには関数という機能が用意されており、これを用いることでもっと簡単に計算を行うことができる。
[6]関数(1) sum
A | B | |
1 | 100 | |
2 | 200 | |
3 | 300 | |
4 |
合計を求める関数はsumである。A4のセルに次のように入力する(入力する代わりにマウスでクリックして選択することもできる)。sumの後ろの(A1:A3)は合計を求める範囲である。ここで、左側のA1が始点、右側のA3が終点をあらわす。以下の式により、A1からA3までの3つのセルの合計を求めよという指示になる。
=sum(A1:A3)
Enterを押すと、計算が行われ結果の600が表示される。
[7]関数(2) average
A | B | |
1 | 100 | |
2 | 200 | |
3 | 300 | |
4 |
averageは平均値を求める関数である。A4のセルに次のように入力する(入力する代わりにマウスでクリックして選択することもできる)。averageの後ろの(A1:A3)は平均を求める範囲である。ここで、左側のA1が始点、右側のA3が終点をあらわす。以下の式により、A1からA3までの3つのセルの平均を求めよという指示になる。
=average(A1:A3)
Enterを押すと、計算が行われ結果の200が表示される。
[8]関数(3) max、min
A | B | |
1 | 100 | |
2 | 200 | |
3 | 300 | |
4 | ||
5 |
maxは指定した範囲内にある最大値を求める関数、minは指定した範囲にある最小値を求める関数である。A4、A5のセルにそれぞれ次のように入力する(入力する代わりにマウスでクリックして選択することもできる)。max、minの後ろの()が最大値および最小値を求める範囲である。
=max(A1:A3)
=min(A1:A3)
Enterを押すと、計算が行われ、maxの方が300、minの方が100が表示される。
[9]関数(4) count、counta、countblank
A | B | C | |
1 | 100 | ○ | YES |
2 | 200 | ○ | |
3 | 300 | ○ | YES |
4 |
- count:数字が入力されたセルの数を数える関数
- counta:空白以外のセルの数を数える関数
- countblank:空白のセルの数を数える関数
まずはcountを使ってみよう。A4のセルに次のように入力する(入力する代わりにマウスでクリックして選択することもできる)。countの後ろの(A1:A3)は検索対象となる範囲である。ここで、左側のA1が始点、右側のA3が終点をあらわす。以下の式により、A1からA3までの3つのセルの中で数字が入力されたセルの数の数を数えよという指示になる。
=count(A1:A3)
Enterを押すと、検索が行われ結果の3が表示される。
countaについてはB4のセルに次のように入力する(入力する代わりにマウスでクリックして選択することもできる)。countaの後ろの(B1:B3)は検索対象となる範囲である。ここで、左側のB1が始点、右側のB3が終点をあらわす。以下の式により、B1からB3までの3つのセルの中で空白以外のセルの数の数を数えよという指示になる。
=counta(B1:B3)
Enterを押すと、検索が行われ結果の3が表示される。
countblankについても同様である。countblankの後ろの(C1:C3)は検索対象となる範囲である。ここで、左側のC1が始点、右側のC3が終点をあらわす。以下の式により、C1からC3までの3つのセルの中で空白のセルの数の数を数えよという指示になる。
=countblank(C1:C3)
Enterを押すと、検索が行われ結果の1が表示される。
[10]関数(5) countif
A | B | |
1 | 100 | ○ |
2 | 100 | × |
3 | 300 | ○ |
4 |
countifは範囲内にある、指定した数字や文字の数を数える関数である。検索をするのが数字の場合と文字列の場合で若干指定方法が変わるので、両方とも確認してみよう。
まずA4のセルに、A1からA3にある100の数を数えてみる。この場合、A4のセルに次のように入力する。countifの後ろのA1:A3が検索範囲、その後ろの100が検索する数字である。
=countif(A1:A3,100)
Enterを押すと、検索が行われ結果の2が表示される。
次に、B1からB3にある○の数を数えてみる。範囲指定方法は数字の場合と同じだが、検索をするのが文字列の場合は、○を""でくくる必要がある。""を付けないとエラーになってしまう。
=countif(B1:B3,"○")
Enterを押すと、検索が行われ結果の2が表示される。
なお、10以上や5未満というように範囲を指定する場合、文字列と同じように""でくくって指定する。≦や≧というキーはキーボードには存在しないので、それぞれ<=、>=と書く。必ず=は右側。
=countif(B1:B3,"<5")
=countif(B1:B3,">=1")
Enterを押すと、検索が行われ結果の2が表示される。countif関数を用いることで、1~5の5段階評価において6や9などの範囲を超える値が入力されている場合に発見することができる。