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04/24の授業内容:エクセルの復習
[0]連絡
今日の授業に全くついていくことができない人は、リメディアル科目の「実用情報」(火曜3限)を履修することを推奨します。0単位の科目なので、CAP制の影響もありませんし、GPAにも影響しません。
[1]Microsoft Excelの使い方(確認)
エクセルをはじめとする表計算ソフトは、表形式でデータを入力し、計算やグラフ作成を行うためのソフトである。情報リテラシーIIで実施済みであるが、その後利用する機会がなければ忘れているかもしれない。エクセルは社会に出てからの利用頻度が高いソフトであるため、この機会に使い方を再確認しておこう。なお、エクセルの使い方についてはインターネット上にも沢山のテキストがある。不安な場合は時間をとって確認しておこう。
今日の課題
作業ファイルをダウンロードし、1番のワークシートから順番に作業を進めてみよう。ここでは7枚のワークシートがあるが、いずれも仕事を行う上で使用する機能で構成されている。
スムーズに作業ができるようであれば、表計算ソフトの使用に自信を持って良い。作業方法が全く分からない場合は、「実用情報」のページや外部のページ(例えば上記のURL)を使って復習しておこう。
[2]表作成に関わる知識(セルの幅調整)
セル幅が狭いと、入力した文字がセルに入りきらず、印刷した際に文字が途切れてしまう。セル幅の調整方法は複数ある。
- 幅を変更したい列を選択する。C列の幅を変更したい場合はC列の「C」をクリックする。次に、C列とD列の境界線をクリックすると幅が表示されるので、左右にドラッグし、適切な幅になった時点で手を離す。
- 幅を変更したい列を選択した後で、メニューバーの[書式]→[列]→[幅]を選択。数値を入力して[OK]。ここで表示されている7.5は、フォントや文字サイズを変更しない標準フォントで7.5文字分の幅という意味。日本語は全角文字なので1文字で2文字分消費する(日本語10文字なら20と入力)。
- 複数列を選択し、どこか一つのセルの幅を調整する(図中の赤○のどれか一箇所で幅設定を行う)と、選択した幅全てが指定した幅になる。
- セル幅を調整する以外に、セル内に入力された文字に対する指定も可能。メニューバーの[書式]→[セル]を選択し、文字の制御で「折り返して全体を表示する」や「縮小して全体を表示する」を選択する。
- 下の図の上は「縮小して全体を表示する」を選択した場合。文字サイズを通常よりも小さくして1行で表示する。下は「折り返して全体を表示する」を選んだ場合で、セル幅よりも文字数が多い場合は折り返して表示する。
[3]オートフィル機能
同じような計算を繰り返し行う際は、最初の1回だけ式を入力しておき、それ以降は複写することできる。これがオートフィル機能である。
以下の図では各支店の売り上げ合計を計算しようとしている。とりあえずA支店の売上合計をSUM関数を用いて求めたので、これを横に複写してみよう。現在選択されているセルには黒い枠がつくが、枠の右下は形が変わっている。この部分にマウスカーソルを移動すると、カーソルの形状が白十字から黒十字に変化する。
黒十字になった状態で、下記のように右下の■をクリックしたままドラッグすると、セルの内容を複写することができる。
最初の1か所だけ式を入れておけば、その式を他のセルにも複写できる。下の図ではC8のセルの中味が表示されているが、=sum(C2:C7)となっており、もともとのセルであるB8から1つ隣のセルに式を複写することにより、計算を行う際に参照するセルもB2:B7からC2:C7に変化している。これのように参照するセルを変化させてくれる機能を相対参照という。
[4]絶対参照
全支店の売り上げ合計に占める各支店の売り上げ比率、売り上げ合計に占める各月の売り上げ比率の算出を例にとりながら絶対参照を説明する。
比率を計算する関数は存在しないため、自分で式を入力する。例えばA支店の売り上げ全体に占める比率はA支店の売り上げ合計/売り上げ全体で求めることができる。計算を行うためには結果を表示したいセル(例えばB10)を選択し、=b8/g8[Enter]と入力する。b8はA支店の売上額の合計、g8は全体の売り上げ合計であるため、割り算をすることでA支店の比率が求められる。なお、式を入力する際にはb8のように列番号を小文字で書いても良いし、B8のように大文字で書いても良い。正しく入力すると以下の結果になるはずである。
では、1箇所計算できたので、合計や平均の場合と同様にオートフィル機能をつかって式を複写してみよう。うまくいっただろうか?おそらく以下の図のようになってしまったはずである。B支店については比率が1を超えているし、C支店以降はDIV/0と表示されている。もう少し詳しく見てみよう。下の図ではC10のセルが選択されており、上部にC10の式が表示されている。ここでは=C8/H8となっている。C8はB支店の売り上げ合計額であり問題はない。しかしH8は全体の売上額の平均である。本来であればG8の全体の売り上げ合計で割らなければならない。
オートフィル機能を使用すると、計算を行う際に参照するセルを変更する。これは便利な機能であるが、場合によっては変更してほしくないものまで変更されてしまうことがある。今回の場合はB8はC8に変更してほしいが、G8はH8に変更されるとまずい。オートフィルを使用しても参照するセルが相対的に変化しないように固定する方法がある。これが絶対参照である。
絶対参照を行う場合は、変更してほしくない部分に$をつける。具体的には$G8、G$8、$G$8というようにセルの列番地、行番地のいずれかもしくは双方につける。$G8の場合、Gという列番地は固定されるが、行番地は可変となる。G$8の場合は行番地のみ固定される。$G$8は行列いずれも固定される。では絶対参照を使って支店別の割合、月別の割合を求めよう。以下を参考に行と列のどちらを固定すればよいか考えよう。全て実施すると以下の図と同じ値になるはずである。
[5]計算式
表計算ソフトで計算式を自分で入力する場合、先頭に=(イコール)を付けた上で式を入力する。この際に使用する演算子は以下の通り。
演算子 | エクセルでの記法 | 例 |
---|---|---|
+ | + | =1+2 |
- | - | =5-1 |
× | * | =3*4 |
÷ | / | =10/2 |
べき乗 | ^ | =3^2(3の2乗) |
[6]if
A | B | |
1 | 1 | |
2 | 2 | |
3 | 3 | |
4 | 1 | |
5 | 4 |
上記は4択問題に対する5名の回答であると仮定する。正解が1の場合、2名が正解で残りの3名は不正解となる。いちいち「正解」「不正解」と入力していくのは大変なので、これも関数を使って何とかしてみよう。例えばB1のセルには次のように書けばよい。
もしもA1が1ならば正解と表示する。そうでない場合は不正解と表示する。
これは「A1は1である」という命題に対する真偽の判断となる。もしも真であるならば「正解」を表示し、偽であるならば「不正解」と表示する。真偽判断に用いる関数がifである。if関数の基本構造は以下の通りとなる。
=if(条件式,真の場合,偽の場合)
()内に記載するのは3つである。それぞれの境界はカンマとなっていることに注意が必要である(Calcの場合はカンマではなくセミコロンとなる)。今回のケースでは以下のように書く。真の場合、偽の場合に表示するのは数字ではなく文字であるため""をつけている。
=if(A1=1,"正解","不正解")
Enterを押すと、真偽の判断が行われB1には正解と表示される。
なお、真の場合、偽の場合に表示する値が数字の場合には""は不要である。
=if(A1=1,1,0)
if文の条件式の書き方
- A1が2である:A1=2
- A1とA2が等しい:A1=A2
- A2がB3以上:A2>=B3
- A2が10を超える:A2>10
- A3が20以下:A3<=20
- A3がA5未満:A3<A5
- A4が100:A4=100(数字なので""不要)
- A4がりんご:A4="りんご"(文字なので""必要)
[7]ifの入れ子
A | B | |
1 | 70 | |
2 | 85 | |
3 | 45 | |
4 | 65 | |
5 | 90 |
先ほどの例では「正解」「不正解」の2通りしかなかったが、さらに複雑な場面もある。例えば次のようなケースを考えてみよう。
- 80点以上:A
- 70点以上:B
- 70点未満:C
if関数はある条件式を記述し、それを満たす場合と満たさない場合という2つの選択肢しか記述することができない。このため単純にifを使うだけでは上記の問題を解決できない。このような場合はif関数を入れ子にする。具体的には以下のように書く。
=if(A1>=80,"A",if(A1>=70,"B","C"))
A1が80以上という条件式を満たす場合、Aが表示される。満たさない場合は2つ目のif関数が適用され、2つ目の条件式のA1が70以上であるという条件式を満たすかどうか判定が行われる。満たす場合はBが表示され、満たさない場合はCが表示される。このようにif関数を2つ入れ子にすることで3種類の処理を行うことができる。処理内容が4つある場合はif関数を3つ入れ子にすればよい。
[8]vlookup
A | B | C | D | E | |
1 | 被験者 | 性別 | 対応表 | ||
2 | S1 | 2 | 1 | 男性 | |
3 | S2 | 1 | 2 | 女性 | |
4 | S3 | 2 |
vlookup、hlookup関数はいずれも一覧表から検索を行い、対応する値を取得する関数である。例えば、上の表では各被験者の性別がB列に1や2と入力されている。右の対応表では1は男性、2は女性とある。右の対応表を参照し、番号に対応する値を取得するのがこれらの関数になる。
右側の表が検索対象となる表になるが、この表のようにデータが縦に並べられている場合は、縦方向に検索をするためvlookup(vertical lookup)関数を用いる。
C2のセルに、以下のように入力する。ここで、
- B2:検索値。この値を次の範囲から検索する
- D2:E3:検索値を検索する範囲。この範囲のうち検索対象となるのは左端の列
- 2:検索の結果、合致する値があった場合に、何列目のデータを返すか。
=vlookup(B2,D2:E3,2)
B2には2が入力されているので、検索範囲であるD2:E3の左端の列のD列から2を探す。2があった場合、2に対応する2列目の値である女性を返す。 結果的に、Enterを押すと、検索が行われ結果の女性が表示される。
データが横方向に並べられている場合は、1行目が検索対象になり、合致する値があった場合に対応する2行目や3行目の値を返すことになる。この場合は横方向に検索をするためhlookup(horizontal lookup)関数を用いる。
[9]グラフ
グラフには棒グラフや円グラフ、折れ線グラフなど様々な種類がある。目的に応じて適宜使い分ける。
- 棒グラフ・積み上げ棒グラフ:量を示したいときで、構成要素間に時系列的な流れがない場合。積み上げ棒グラフは合計と内訳の両方を知りたいとき
- 折れ線グラフ:時系列的な推移を示したいとき
- 円グラフ・帯グラフ:各要素の割合を示したいとき
- まずグラフにしたいセルを指定する。
- グラフウィザードボタンを押す。
- グラフの種類を選ぶ。今回は棒グラフなのでそのままで「次へ」を押す。
- このステップでは、基のデータの選択や変更、追加を行う。上部のタブを「データ範囲」から「系列」に切り替え、「項目軸ラベルに使用」の部分でA支店からE支店までを選択する。具体的には横のボックスにカーソルを移動した上で、エクセル上の対応するセル(この場合はB1からF1)を選択すると、選択した範囲が表示される。その後「次へ」
- X軸、Y軸のタイトルを入力する。ここではX軸は「支店名」、Y軸は「平均売上額」とする。データが1種類なので凡例は不要である。「凡例」タブをクリックし、「凡例を表示する」のチェックをはずす。これでよければ「完了」を押すとグラフができあがる。
- グラフは完成したが、このままでは見栄えが悪い。特に背景が灰色で棒の色が青であるため、印刷したときにどちらも黒っぽくなり見づらくなる。グラフのサイズ、使用している文字のフォント、棒の色、背景の色など様々に変更ができる。変更して見栄えの良いグラフにしよう。
- グラフをクリックすると周囲に8つの■が表示される。この部分をマウスでクリックしたまま移動すると、グラフのサイズを変更することができる。変更中は下記のように変更後のサイズが点線で表示されるので、好みの大きさになった時点でマウスのボタンを離す。このグラフエリアをダブルクリックすると、周囲の色や枠の色、線の太さを変更することもできる。
- 同様にプロットエリアもクリックすると周囲に8つの■が表示される。この部分をマウスでクリックしたまま移動すると、エリアのサイズを変更することができる。
- プロットエリアをダブルクリックするとエリア内の色と周囲の枠の色や線の太さを変更することができる。
- 棒グラフの棒をダブルクリックすると棒の色や線の太さ、棒の太さの変更ができる。棒の太さの変更は「オプション」タブをクリックして行う。
- x軸の数字をクリックすると、数字のフォントやサイズ、x軸の線の太さや色を変更することができる。
- y軸についても同様で、数字をクリックすると、数字のフォントやサイズ、y軸の線の太さや色を変更することができる。
- 「平均売上額」や「支社名」などのxy軸のタイトルはクリックしたままマウスを動かすことで、場所を移動することができる。またダブルクリックすると文字の大きさやフォントを変更することができる。
- これらを駆使すると最終的に下記のようなグラフができる。同じようなもの、もしくはさらに格好いいものを作ってみよう。