roy > naoya > 実用情報 > (2)ワープロソフト[1] スタイル設定(1)

(2) 04/24の授業内容:ワープロソフト[1] スタイル設定(1)

[1]Microsoft Wordによるスタイル設定

見出しや箇条書きのスタイルを一括設定することで、文書全体にわたって統一された書式を適用することが出来る。また自動的に図や表に連番を振ってくれる図表番号の機能や、本文中で図表を参照する際に用いる相互参照の機能も、卒業論文などの長い文章を作成する上では必須の機能である。これらの機能は、社会に出て仕事を行なう際、必ず必要とされる。

授業で使い方を復習するだけでは定着しない。必ず今後のレポート作成で活用して、使いこなせるようにしておこう。

本日の資料

スタイル設定が行なわれていない以下の資料に対して、スタイルを適用し、適用後のファイルと同じようにしてみよう。

[2]スタイル設定の方法

OpenOffice Writerと同じように「スタイルと書式」ボタンをクリックする。すると、右側の作業ウィンドウに「スタイルと書式」メニューが表示される。

ツールバーのスタイルと書式ボタンをクリック

[3]タイトル・見出しのスタイル設定

タイトルや見出しに「表題」や「見出し1」「見出し2」といったスタイルを適用する。スタイルを設定しておくと、後から書式設定を一括で行うことが出来る。例えば、「見出し1」のスタイルを設定した項目に対し、文字サイズ14pt、フォントはゴシック体の太字などを一括設定できる。

また、目次を自動生成する上で、見出しスタイルの設定は必須の作業である。

これらのスタイルを設定する際は、以下のどちらの方法を選択しても良い。今回は、すでに作成した文書に対し、後からスタイルを適用するので後者となる。

  • スタイルを設定してから文章を入力する
  • 入力した文章にスタイルを設定する

タイトルと署名

「スタイルと書式」メニューは初期段階では、表示モードが「書式の一覧」になっている。これを「すべてのスタイル」に変えると、選択肢に「表題」と「署名」が出現する。

表題を選択する

タイトル行にカーソルをあわせて「表題」をクリックする。すると、「表題」の初期設定のスタイルが適用される。「表題」をクリックしてから本文中に表題を入力しても良い。

次の氏名の行のスタイルは「署名」にする。

表題と署名のスタイルを適用した結果を以下に示す。スタイルを設定した行にカーソルを置くと、その行のスタイルが右側に表示される。

スタイル適用結果

見出し

  • 章の見出し :見出し1
  • 節の見出し :見出し2
  • 小節の見出し:見出し3

という基準で、それぞれの見出しに対し、該当するスタイルをクリックして設定する。「1.はじめに」の「1.」は、後で自動的に連番をつけるので入力しない。

見出し1を選んで見出し入力後、本文を入力

[4]図表番号の挿入と相互参照

図表番号

図や表をクリックして選択した状態で、右クリックで[図表番号]を選択。または、メニューから[挿入]→[参照]→[図表番号]を選択。表は左上の白い四角をクリックすると表全体が選択される。この状態でないと右クリックで[図表番号]のメニューが出てこない。

表は左上の四角をクリックすると全体が選択される

図表番号には最初から「表1」や「図2」と入っているので、その後ろにタイトルを入力する。番号をつけるのが図か表かに応じ、ラベル名と位置を選択する。

画像をクリックして、[挿入]→[参照]→[図表番号]

図表のタイトルについては次のルールがある。

  • 図のタイトルは下
  • 表のタイトルは上

相互参照

本文中に記載した「図1は〜について示している」といった箇所に図表の番号を入れる。直接手入力をすると図表番号が変化したときに手作業で変更する必要があるが、相互参照を用いておくと自動的に変更される。

相互参照を行う前の状態

Wordでは相互参照を行った場合に、「図1」や「表1」というように「図○」「表○」の形式で図表番号を挿入する。それゆえ、相互参照を行う前の状態は以下のようになる。

平均走行速度を算出した。は各条件における速度の平均値であるが・・・

「表1は各条件における・・・」としたいので、「は」の左側にカーソルをあわせ、メニューから[挿入]→[参照]→[相互参照]を選択。

相互参照の文字列を「番号とラベルのみ」にする。

  • 参照する項目:図または表
  • 図表番号の参照先:相互参照したい図表
  • 相互参照の文字列:番号とラベルのみ

をそれぞれ選び[挿入]。

図表番号がグレイに変わり相互参照が行われる

[5]箇条書きの入力

箇条書きはツールバーの箇条書きボタンで開始・終了する。番号つき箇条書きと、番号無し箇条書きがある。

ツールバーの箇条書きボタンで箇条書きのオン・オフ

入力後、改行すると自動的に次の行にも行頭文字が出現する。その行でもう一度改行を入力すると箇条書きから抜ける。

[6]図の追加と図表番号・相互参照の更新

2つの図形があり、図表番号でタイトルをつけ、本文中で相互参照により参照している状態
図の上に図を追加して図表番号を振ると自動的に番号が振りなおされる
文書全体を選択し、右クリック→フィールド更新
完成例

右の図のように、2つの図があり、それぞれ図表番号で図のタイトルをつけ、本文中では相互参照により、図1や図2を参照しているような状況を考える。

ここで、図1の上に赤い四角の図形を追加し、図表の番号を自動的に変更させてみよう。

実際に図を追加して、図表番号で図のタイトルをつけると、図表番号の部分は既に番号が振りなおされている。しかし、相互参照は変化していない。

相互参照の変更は、「フィールド更新」で行う。

  • Ctrl+aまたは[編集]→[すべて選択]で、文書全体を選択
  • 右クリック
  • フィールド更新を選択

これにより、相互参照も変更される。


実施してみよう

スタイル設定後のファイル(2a_after.doc)から図1をコピーしてスタイル設定前のファイル(2a_before.doc)に貼り付け、図表番号で図に「図1 交差点見取り図」とタイトルをつけた上で、本文中でも相互参照を行ってみよう。

[7]章見出しへの番号づけ

「見出し1」と「見出し2」にそれぞれ「1」や「1.1」のような番号をつける。右側の「スタイルと書式」内の「見出し1」右側の▽をクリックし、「変更」を選択する。

スタイルと書式の見出し1右側の▽をクリックし、「変更」を選択

「書式」から「箇条書きと段落番号」を選択する。

「書式」から「箇条書きと段落番号」を選択

「アウトライン」タブをクリックし、段落番号のスタイルを選択する。ここでは上側、右から2つ目を選択している。

アウトラインタブをクリックして、段落番号のスタイルを選択

すると、本文中の「見出し1」、「見出し2」全てに通し番号で章番号が挿入される。設定をしたのは「見出し1」のみであるが、「見出し2」にも章番号が自動的につけられていることを確認しよう。

完成例

[8]本文のインデント調整

失敗例

次に、本文の第一段落を1文字分字下げしよう。これもスタイルの設定を変更する。本文のスタイルは「標準」であるため、右側の「スタイルと書式」から「標準」を選び、▽をクリックして「変更」を選択する。

スタイルと書式の本文の右側の▽をクリックし、「変更」を選択

「書式」から「段落」を選択する。

「書式」から「段落」を選択

「インデントと行間隔」タブをクリックし、最初の行を「字下げ」、幅を「1字」に変更し「OK」。すると、第一段落が1文字分字下げされる。

「最初の行」を「字下げ」、「幅」を「1字」に指定

本文の第一段落は1文字字下げされているが、見出しも変化していることに気がつくだろうか。「標準」に対してスタイルの設定を行うと、その設定が「見出し1」や「見出し」にも適用されてしまう。これでは都合が悪い。本文のみに先頭行の字下げの設定を適用するためには、本文のスタイルを「標準」ではなく「本文」にする必要がある。

見出しまで1文字下がってしまう

本文のスタイルを「標準」から「本文へ」変更

本文に「本文」のスタイルを適用する場合、1つ1つの段落で「本文」をクリックすればよい。今回は数ページ程度の文書で、1つ1つ「本文」をクリックしてもそれほど負担ではない。しかし、もっと長い文章の場合は大変面倒である。

長い文章の場合、一番最初に、文章全体に「本文」のスタイル設定を行い、あとからみ「見出し1」「見出し2」などのスタイルを適用した方が楽である。今回もその方法を実施してみよう。

実施してみよう

もう一度、2a_bfore.docをダウンロードし、一番最初に文書全体に「本文」のスタイル設定をしたあとで、これまで行ってきた作業を全て実施する。

これまで行ってきた設定を、Webページを見ずに全て出来るか確認してみよう。

なお、すでに途中まで作業をしてきたファイルは廃棄をしてもよいし、保存をしておいても良い。

今度は、本文の第一段落を字下げするために、「本文」に対して設定を行う。「本文」の変更を選択し

スタイルと書式の本文の右側の▽をクリックし、「変更」を選択

[書式]⇒[段落]を選択し、最初の行を1字字下げの設定を行う。

「書式」から「段落」を選択

[9]目次の作成

セクション区切り

目次を手入力で作成するのは非常に手間のかかる作業である。ここでは1ページ目に目次を自動的に挿入する。1ページ目は目次だけとし、2ページ目から本文を開始する。このため以下の手続きで何も書かれていない真っ白な1ページ目をつくり、現在の1ページ目を2ページ目に移動させる。

  • 改ページの方法
    • カーソルを1ページ目の先頭(酒田市民の左)に置く
    • メニューバーの[挿入]→[改ページ]を選ぶ
      • セクション区切り:次のページから開始

改ページ

これで真っ白な1ページ目ができる。書式設定を行う際、通常1つのファイルに対して共通の設定が行われるが、セクションを分けておくとセクションごとにページ設定ができる。セクションを分けることで、本文のページのみにページ番号をつけるといった設定が可能となる。上の設定でセクション区切りではなく、「改ページ」を選んでも真っ白な1ページ目を作ることはできるが、セクションを区切ることができないので、ページ番号をつける際に困る。

今回は「セクション区切り」を選んだため、1ページ目は1セクション、2ページ目以降は2セクションとなっている。

セクションが区切られている

目次作成

1ページ目の冒頭にカーソルを移動し、
メニューバーの[挿入]→[参照]→[索引と目次]
を選択する。

[目次]タブをクリックし、アウトラインレベルを設定する。アウトラインレベルとは、目次に記載する見出しの階層設定であり、3であれば見出し3までが目次に表示される。なお、以下の図にあるように、「表題」が目次に含まれてしまっている。これだと都合が悪いので、表題を目次から除去するために「オプション」をクリックする。

目次タブでオプションをクリック

「オプション」をクリックすると、スタイルごとに目次のレベルが表示されるので、「表題」の目次レベル「1」をBackSpaceで消す。

表題の右の1を消す

これで「表題」を目次から消すことができた。あとは必要に応じて「書式」から目次のデザインの設定を行う。今回は「エレガント」を選択してみる。

表題が目次から消える。

[OK]を押すと目次が生成されるが、右端のページ番号が2ページから始まっているので、次にこれを修正する。

完成した例

[10]ページ番号の挿入と修正

フッターの設定

メニューバーの[表示]→[ヘッダーとフッター]を選ぶと、本文の色が薄くなり、用紙の上下の余白に点線でヘッダーとフッターが表示される。ページ番号はフッターに記載する。

本文が始まるのは2ページ目であるから、2ページ目のフッターを確認してみよう。すると「前と同じ」という設定になっている。先ほどセクションを2つに分けたが、このままでは1セクションの設定をそのまま踏襲することになってしまう。

「表示」から「ヘッダーとフッター」

ヘッダーとフッターを表示すると、下の「ヘッダーとフッター」メニューが浮動表示される。丸印をつけたボタンで、前の設定を引き継ぐかどうかを指定することができるので、

  • 2ページのフッターにカーソルを移動してから
  • 「前と同じ」ボタンをクリックして、機能をOFFにする

「前と同じ」設定ボタンをクリックして解除

するとフッターの「前と同じ」の表示が消え、1セクションと2セクションで個別に設定を行うことができるようになる。

「前と同じ」が消えている

ページ番号の挿入

ページ番号の挿入は、「ヘッダーとフッター」の浮動メニューから行う。以下の赤丸印がついた「ページ番号の挿入」ボタンをクリックするとページ番号が挿入される。ただし、「2」ページとなっているので、緑丸印の「ページ番号の書式設定」ボタンを押して、設定を変更する。

ページ番号が挿入されるが2頁となっている

初期設定では、「前のセクションから継続」となっているので、「開始番号」を選び、ページ数を「1」にする。

開始番号を選び、ページ数を1に設定

するとページ番号が「1」に変わる。フォントや文字の大きさ、配置(中央揃え)等の設定を行うと、次ページ以降の同一セクション内の他のページ番号にも反映される。最後に「閉じる」をクリックすると、通常の入力可能な状況に戻る。

「前と同じ」が消えている

最後に、目次のページ番号を変更する。目次全体を選択してから、右クリック→「フィールド更新」を選択。

完成した例

今回は「ページ番号だけを更新」を選択。書き足しや修正により見出し項目が変化した場合は「目次をすべて更新する」を選ぶ。

「前と同じ」設定ボタンをクリックして解除

これで、目次のページ番号が1ページから開始される。

完成した例

[11]出席課題

完成したら、2a_before.docを添付ファイルで担当教員に提出する。メールの本文には感想を書く。

  • To:課題提出用メールアドレス
  • Subject:実用情報(2)
  • 提出期限:授業終了時まで