LAN のアクセス方式

イーサネット:LAN の標準方式

LAN のトポロジ

トポロジ:使用するケーブルやコネクタ、接続機器による構成形態のこと

バス型 両端に終端装置(ターミネータ)のある一本の伝送路 1 台のコンピュータが故障しても影響がないイーサネット型トポロジ 10BASE2, 10BASE5
スター型 中央にハブをおく放射状の伝送路 1 台のコンピュータが故障しても影響がないが、 ハブが壊れると全て使えなくなるイーサネット型トポロジ 10BASE-T, 100BASE-TX
リング型 円環状の伝送路 1 台のコンピュータが故障すると全体に影響が出る、 イーサネット型ではないトポロジ FDDI, トークンリング

現在はスター型が多い。

FDDI: Fiber-Distributed Data Interface, 光ファイバを利用した 100 Mbps の高速大容量 LAN

ネットワークを使用したソフトウェア

CSMA/CD 方式と CSMA/CA 方式

無線には CA 方式を使う。

Carrier Senseキャリア検知 通信開始時にキャリアが伝送されているか調べる
Multiple Access多重アクセス CS, CD を同時に最大 1024 個の端末に行い通知する
Collision Detection衝突検出 CS 後に、ケーブルにキャリアが検知されない場合に送信を開始し、 他の通信データとの衝突が検出された場合はデータの送信を中止する
Collision Avoidance衝突回避 送信前に待ち時間を入れ、送信中の衝突を避けるしくみ。

LAN の方式と構成

イーサネット LAN の規格名: 伝送度 [Mbps] BASE (-ケーブルの種類) 長さ

bps: bit per second, 1 杪当たりの通信速度

同軸ケーブル 芯線・網線・絶縁材・緩衝材を同心円状に巻いた電線 雑音に強い 100 BASE 5(太), 10 BASE 2(細)
より対線 モジュラケーブルのように、細い電線を 2 本より合せた線を 4 組など複数本まとめて被膜で覆ったケーブル 別名ツイストペア UTP
光ファイバケーブル 高品質な通信が可能 光ファイバケーブル

ケーブル名: 伝送速度(M bit/s) BASE ケーブル長 (1 セグメントの長さ) または種類 (T: UTP または F: 光ファイバ)

セグメント:他の機器を使わずに接続できるケーブル

イーサネットの種類
トポロジ ケーブル 最大通信速度 コネクタ 最大セグメント長
バス型 10 BASE 5 10M bit/s AUI 500m
10 BASE 2 BNC 185m
スター型 10 BASE-T RJ-45 100m
100 BASE-TX 100 M bit/s
1000 BASE-T 1000 M bit/s

IEEE による認証規格のまとめ

IEEE802.3イーサネット バス型・スター型 10 同軸ケーブル・より対線・光ファイバケーブル
IEEE802.3u 高速イーサネット スター型 100 より対線・光ファイバケーブル
IEEE802.3z 1000
IEEE802.3ab より対線
IEEE802.5 トークンリング リング型 4, 16 同軸ケーブル・光ファイバケーブル
IEEE802.11a 無線 - 54 (ワイヤレス)
IEEE802.11b 11
IEEE802.11g 54

無線 LAN の規格

無線 LAN の伝送媒体:電波・赤外線・レーザなど
無線 LAN の規格
IEEE802.112 M bit/s2.4 G Hz
IEEE802.11a54 M bit/s5.2 G Hz
IEEE802.11b11 M bit/s2.4 G Hz
IEEE802.11g54 M bit/s2.4 G Hz

周波数 2.4 GHz :産業機器、医療機器、家電製品で使用される周波数帯

無線 LAN の通信方式
通信方式アクセスポイント使用
インフラストラクチャモード
アドホックモード

アクセスポイント: 有線 LAN やインターネットの ISP との接続機能があり、 無線 LAN の親機として働く

ホットスポット:大勢が利用する公共の場所でインターネットが使用できる場所

無線 LAN のセキュリティ:データが傍受されやすい

WEP:Wired Equivaletn Privacy, 無線 LAN のセキュリティ対策の一つで、 アクセスポイントと無線 LAN カードの両方にパケットを暗号化して設定し、 キーが異なるものを除外する

その他、MAC アドレスを用いて接続制限を行う方法も用いられる

無線の接続

アクセスポイント
有線 LAN やインターネットの ISP との接続機能があり、 無線 LAN の親機として働く
ホットスポット
大勢が利用する公共の場所でインターネットが使用できる場所
無線 LAN のセキュリティ
データが傍受されやすい
WEP
Wired Equivaletn Privacy, 無線 LAN のセキュリティ対策の一つで、 アクセスポイントと無線 LAN カードの両方にパケットを暗号化して設定し、 キーが異なるものを除外する
その他、MAC アドレスを用いて接続制限を行う方法も用いられる

LAN 間接続

接続機器: LAN どうしを接続するのに使われる。 OSI 基本参照モデル各層に対応する LAN 接続装置がある。

  1. リピータ: 物理層で LAN 間を中継。信号増幅、波形の整形
  2. ブリッジ: データリンク層で LAN 間を中継。MAC アドレスで転送の可否を判断。
  3. ルータ: ネットワーク層で LAN 間を中継。IP アドレスでルーティングを行う。
  4. ゲートウェイ: トランスポート層からアプリケーション層までの階層で LAN 間を中継。プロトコロル変換を行う。

デフォルトゲートウェイ: 内部のネットワークから外へアクセスするとき、 出入口として使用するコンピュータやルータなどの機器。

接続機器と OSI 参照モデル

LAN どうしを接続する機器と OSI 基本参照モデル

接続機器 OSI 基本参照モデルアドレスの規格
ゲートウェイ 応用層-
プレゼンテーション層
セション層
トランスポート層ポート番号
ルータ・レイヤ 3 スイッチ ネットワーク層IP アドレス
ブリッジ・スイッチングハブ・レイヤ 2 スイッチ データリンク層MAC アドレス
リピータ・リピータハブ物理層-

ルータ:IP アドレスにより局所 LAN とそれ以外の LAN のデータを切り分ける

ゲートウェイ: ポート番号によりデータを作り出したアプリケーションプログラムと IP アドレスで送信元のコンピュータを特定し、データを許可する

スイッチングハブ: LAN 上の機器の MAC アドレスを記憶し、 データをその機器が接続されているポートにだけ中継する

リピータハブ: 全てのポートにデータを中継する

ハブの種類
リピータ 伝送信号の再中継を行い、信号を整形して受け取ったデータを全て中継
リピータハブケーブルを繋ぐポート(出入口)が複数あり、 情報をスター型に接続するリピータ
ブリッジイーサネット型の LAN どうしを接続する機器、 MAC アドレスによりデータの宛先を判断する
スイッチングハブ 複数のポートを持ち、ブリッジの機能を持つ装置で、 同時通信の速度は装置の最大通信速度でそれぞれのポート間の通信を行う
LAN 同志の中継を行う接続機器の働き:LAN どうしに距離がある場合、WAN を介し、接続機器は IP アドレスを制御しネットワーク層で接続
経路制御の方法
ルータソフトウェアによる経路制御低速
レイヤ 3 スイッチハードウェアによる経路制御高速
ゲートウェイプロトコルの異なるネットワーク間の中継や、 トランスポート層や応用層でデータの制御を行いながら中継を行う

ポート番号: ネットワーク間の中継で、プロトコルを判断し、通信データが混ざらないようにする

ブロードキャストドメインとコリジョンドメイン
ブロードキャストドメイン ブロードキャストパケットが届く範囲のネットワーク スイッチングハブ・ブリッジで接続する範囲内・ それを超える範囲はルータを使用
コリジョンドメイン パケットの送信中にパケットの衝突を回避するため、 機器どうしが送信中かどうかを確認しながら行う必要のある領域のネットワークのこと スイッチングハブを使用する場合は、 ポート単位がコリジョンドメインで、 ポート間の通信はブロードキャストドメイン

ピアツーピア

ピアツーピア (Peer To Peer): 通信するコンピュータがサーバでありクライアントであるネットワーク形態、 小規模 LAN 向け

ピアツーピアクライアントサーバ
接続台数2--5o(10 ** 2) 程度も可能
セキュリティ低い高くもできる
運用管理簡易システマティックな管理が必要
サーバ不要専用計算機が必要
OS通常の OSサーバ専用の OS

回線接続方法

回線は通信を物理的な手段でつなぐもの。

回線の特徴

公衆線
多くの人が任意の相手と空いている経路を利用, 利用時間と距離で料金を算 出
専用線
決まった人が決まった相手と同じ経路を利用, 月額定額利用料

アナログ回線・デジタル回線

アナログ回線:アナログ信号でデータの送受信を行う

アナログ回線 < 56kbps, 従来の固定電話, ADSL 回線銅線ケーブル
モジュレーション ディジタル信号をアナログ通信のデータに変換すること変調
デモジュレーション アナログ信号をディジタル通信のデータに変換すること復調
モデム 変調と復調を行う機器のこと MOdulator DEModulator, 変復調器

ディジタル回線:ディジタル信号によってデータの送受信を行う。ISDN など。 波形は方向波。

HDLC: High-level Data Link Control procedure, 基本形データ伝送制御手順よ り効率、信頼性の点において高いデータ伝送制御手順

単方向通信方式
1 方向のみ伝送
半二重通信方式
交互に伝送
全二重通信
両方向から伝送
パリティチェック
データにビットを付加して送り、受信側で偶奇検査をして確認する方法
CRC
Cyclic Redundancy Check, データに付加し、ビット誤りを検査する方法
PBX
Private Branch eXchange, 機内回線交換機
octet
8 bit データ量単位
輻輳
ふくそう、ネットワーク設備容量よりも大きなトラフィックが流入し、 サービスが低下している状態

ISDN 回線

Integrated Services Digital Network, 音声通話、ファックス、データ通信、パケット通信、動画 銅線ケーブル・光ファイバによって行うディジタル公衆回線

ISDN のサービス
インタフェース名 サービス名 B チャネルの数 D チャネルの数 ケーブル想定しているネットワーク
基本インタフェース INS ネット 64 2 本 (64k bit/s) 1 本 (16k bit/s) 銅線家庭用など小規模ネットワーク
1 次群インタフェース INS ネット 1500 23 本 (64k bit/s) 1 本 (64k bit/s) 光ファイバ企業など大規模ネットワーク

フレームリレー: データ送受信する蓄積交換方式。 ISDN のパケット交換を利用して、1 対多の接続ができる。 専用線の 1 対 1 のコスト高に比べ安価。

ATM, Asynchronous Transfer Mode
セルリレーと ATM 交換機からなる
セルリレー
48 b に固定した通信で伝送効率を上げる
ATM 交換機
空パケットを生じさせないよう、非同期で早く来た順 にパケットを送信し、伝送効率を上げる

通信ネットワークの構成

DTE
データ端末装置
DCE
データ回線終端装置, モデム, DSU

非 ISDN 端末の接続

PC -- TA -- DSU -- ISDN 網

ISDN で使われる装置
DSU Digital Service Unit, 加入者回線終端装置 ディジタル回線の信号形式とコンピュータ内の信号形式の相互変換を行う
TA Terminal Adapter ISDN 用に設計されていない装置をディジタル回線に接続するための装置
回線規格
G3 規格従来のアナログ回線
G4 規格ディジタル回線用のファクシミリなど

チャネル:ISDN 回線での通信単位

ブロードバンド

ADSL、ダイヤルアップ接続の違いについて

ADSL

ADSL 回線:Asymmetric DSL, 非対称ディジタル加入者回線 (Asymmetric Digital Subscriber Line)、 アナログ回線で使用しきれないブロードバンド(ブロード帯域) を利用したディジタル回線のうち、上りと下りの速度が異なるもののこと

ブロードバンド

CATV:ケーブルテレビの空チャネルを利用した接続サービス
FTTH:Fiber To The Home, 光ファイバケーブルを設置した高速ネットワーク
ダイヤルアップ接続 公衆回線を利用した必要なときだけ回線に接続する, ナローバンド 低コスト伝送速度は遅い
ADSL 接続 音声通話で利用しない周波数帯を利用した高速ディジタル通信, ブロードバンド Type I 電話回線共用型 スプリッタを用いて電話信号と ADSL 信号を分離
Type II ADSL 専用型 新たに回線を新設
専用線接続 専用通信のためだけに回線を設置 ATM, 長距離列車券売機, 航空券座席予約発見システム
ブロードバンドネットワークの種類
ナローバンド接続アナログ56k
ISDN (ディジタル)128k
ブロードバンド接続ADSL Type I40+M
ADSL Type II40+M
CATV数十 M
100M 程度

回線

WAN:広域通信網、電気通信事業法に基いた構築・運用管理が行われる
電気通信事業者 WAN の事業者
ISP WAN の通信事業を行うインターネット関連サービス提供事業者 (商業プロバイダ)
接続形態・接続回線
ダイヤルアップ接続 公衆回線を利用した必要なときだけ回線に接続する, ナローバンド 低コスト伝送速度は遅い
ADSL 接続 音声通話で利用しない周波数帯を利用した高速ディジタル通信, ブロードバンド Type I 電話回線共用型 スプリッタを用いて電話信号と ADSL 信号を分離
Type II ADSL 専用型 新たに回線を新設
専用線接続 専用通信のためだけに回線を設置 ATM, 長距離列車券売機, 航空券座席予約発見システム
ブロードバンドネットワークの種類
ナローバンド接続アナログ56k
ISDN (ディジタル)128k
ブロードバンド接続ADSL Type I40+M
ADSL Type II40+M
CATV数十 M
100M 程度

アナログ回線・デジタル回線

アナログ回線:アナログ信号でデータの送受信を行う
アナログ回線 < 56kbps, 従来の固定電話, ADSL 回線銅線ケーブル
モジュレーション ディジタル信号をアナログ通信のデータに変換すること変調
デモジュレーション アナログ信号をディジタル通信のデータに変換すること復調
モデム 変調と復調を行う機器のこと MOdulator DEModulator, 変復調器
ディジタル回線:ディジタル信号によってデータの送受信を行う

ISDN 回線: 音声通話・ファックス・データ通信・パケット通信を。 銅線ケーブル・光ファイバによって行う

ISDN で使われる装置
DSU Digital Service Unit, 加入者回線終端装置 ディジタル回線の信号形式とコンピュータ内の信号形式の相互変換を行う
TA Terminal Adapter ISDN 用に設計されていない装置をディジタル回線に接続するための装置
回線規格
G3 規格従来のアナログ回線
G4 規格ディジタル回線用のファクシミリなど

チャネル:ISDN 回線での通信単位

ISDN のサービス
インタフェース名 サービス名 B チャネルの数 D チャネルの数 ケーブル想定しているネットワーク
基本インタフェース INS ネット 64 2 本 (64k bit/s) 1 本 (16k bit/s) 銅線家庭用など小規模ネットワーク
1 次群インタフェース INS ネット 1500 23 本 (64k bit/s) 1 本 (64k bit/s) 光ファイバ企業など大規模ネットワーク