(講評)試験免除者を発表した。 今年も僅差である。 情報教員の話し合いで、到達すべき項目や試験の基準を決めている。 成績は得点で決まるため、試験の準備を十分にしておくこと。 レポートを提出していない学生は、提出するだけでも本番の試験勉強かつ、 成績を支えるものとなるので、全て提出することをお勧めする。
なお、試験を実施し、なおかつ免除者にも強く受験を勧めている大きな理由は、 本学の学生の打たれ弱さにある。 本学に来る学生は、今まで決してずっとトップを走っていたわけではない。 注目されることもなく、都会育ちもほぼいないため、十分な競争社会にもなく、 今後、就職試験等で失敗を続け、 初めてプレッシャーに負ける経験をするような学生が、 大勢いる。自主的にプレッシャーと闘う練習をしておかなければ、 今後を生き抜いていけない。
企業はすでに、 中国やブラジル、メキシコ、インドなどの企業との価格競争にさらされており、 プレッシャーに弱い学生をわざわざ好んで採用するとは思えない。 困難な場面に立ち向かうことができる機会のひとつを逃すことは、 あまり賢い生き方ではない。
レポートの採点も、企業目線での採点を目指していた。 単なる「いい子」ではなく、 期限期間内に論理的に人を説得する提案と説明ができる人材となるよう、 指導してきた。 今後は専門演習に進み、より専門的な事項について、 情報の整頓(データ整理やレポート作成) を続けていくことになるだろう。 卒業論文作成は、 基礎プログラミングの課題にかける時間よりもずっと長い時間拘束され、 仕上げなくてはならない。 今後につながることを終了したという自信を忘れずに、 さらなる課題に立ち向かっていってほしい。
今回プログラミングが好きになった学生は、 就職活動に、「文系 SE」という職種も忘れずにチェックしてほしい。 いわゆるシステムエンジニア (SE) だと、理工系のみの募集だが、 簿記や法律、福祉の知識もあり、情報もできる本学の学生は、 文科系の内容をプログラミングし、 ソフトウェアとして開発、販売する会社に向いた人材となっている。
ある程度皆で考えて、残したプロジェクトに関しては、 いずれも本学の情報教育に則したものが多かった。 あとは、どれだけ仕事を皆で分散し、皆が意見を述べあい、 オプションを足すことができたか、というところで決まった感がある。 データの分散はうまくできていたようだが、 プログラムを数名で分散して作る過程がまだうまくいっていないようで、 1, 2 名でしか作っていないところは、 プレゼンテーションを作る過程でどこがアピールポイントなのかを見失ってしまい、 発表も自信をなくし、弱々しくなってしまったようだ。
レポートで解説を書くという作業を通して、 他人に説明できることを目的としていると何度か言ったが、 プログラムを分散して作る際に、 解説部分に自分自身の言葉で書くという作業にどれだけこだわったか、 が結局ものを言った。
今年は全体的に、 プログラムの説明や考察が例年に比べると書けていない上、 レポートを勉強する友だちを新たに増やす学生が少なかったので、 チームワークへの取り組みはあまり上手くないと予想していたが、 やはり最後まで、内気さが命取りとなった印象がある。 講義でも話したとおり、企業面接では短時間でのグループワークを通して、 採用候補者を決定するところが多いので、 今後は他のフィールドワーク等の講義を通して、もう少し早く打ち解けて、 一刻も早く対等に課題に取り組む姿勢を磨いてほしい。
予選は、プロジェクトが 2 つ決まらなかったところ、 プロジェクトの絞り込み時にプロジェクトの 1 つしかできあがっていなかったところ、 は敗退した。また、プロジェクトが 2 つあったものの、 プレゼンテーションを主たる 1 名が作ってしまい、 仲間うちで練習を重ねないままに出場したところは、 印象も薄くなったようで、審査員である履修者の投票行動には結びつかなかったようだ。
どのチームもそれぞれ本選に出場してもおかしくない企画を持っていたが、 企画力プラスそのプログラムへの付加価値の質と量、 およびプレゼンテーション力の差に、 本選に出場したチームとの違いとなって表れたようだ。
本選では、食べ物、CGI ゲームが主流となってしまい、 食べ物関係で票を食い合った結果、 シューティングゲームが得票をのばす結果となってしまった。
本選までは短い期間、限られた時間しか残っていないが、 発表練習やポスターの制作等について、すぐ質問に来たかどうかで、 準優勝や優勝が決まった印象を受けた。 また、この上位 2 チームは常に全員作業に取り組んでいる印象を受けていた。
分からないときにすぐに教員に質問する力、 プログラミングについては全員で作業に取り組むチームワーク、 最小の表現で最大の効果を得るような賢い作業方法に分解する論理的思考、 は今後の作業でも有効なので、活かしてほしい。